100年俳句計画8月号(no.189)


100年俳句計画8月号(no.189)

注意
これは視覚障がい者の100年俳句計画年間購読者のためのテキストファイルです。
通常の著作物と同様、許可無く複製/転載することを禁止します。





目次


表紙リレーエッセー
向日葵 風


特集1
mhm通信 松山城歳時記化計画〜三光鳥に逢いに行く〜スペシャル/文 キム・チャンヒ&暇人


特集2
「蔵の宴」ジャズ句会/神楽坂リンダ



好評連載


作品

百年百花
 亜桜みかり/樫の木/柊ひろこ/朗善千津


放歌高吟/夏井いつき

100年俳句計画作品集 100年の旗手
 睦/むめも/かのこ


百年琢磨 平敷武蕉

新100年への軌跡
 俳句/久保田牡丹/紫音
 評/マイマイ/瑞木


選者三名による雑詠俳句計画
関悦史/阪西敦子/加根兼光


へたうま仙女/杉山久子

自由律俳句計画/きむらけんじ

詰め俳句計画/マイマイ



読み物
Mountain Cabin Dispatch/ナサニエル・ローゼン(訳:朗善)
JAZZ俳句ターンテーブル/蛇頭
ラクゴキゴ/らくさぶろう
クロヌリ俳句/黒田マキ
句集を作るドキュメント
俳句対局道場/正人
百年歳時記/夏井いつき
句集の本棚

読者のページ
俳句ポスト365
一句一遊情報局
100年俳句計画掲示板
魚のアブク
鮎の友釣り
告知
編集後記
次号予告




表紙リレーエッセー


向日葵


 この春一時帰国していた孫娘の残して行った向日葵が大きくなりました。学校から持ち帰った時は10センチほどの苗だったのですが、朝夕の水やり、青虫退治、支柱を立て、日当たりや風の様子で鉢の場所を変えたりして懸命に育てました。それはあまりにも遠くに住んでいて手をかけてやることが出来ない彼女への思いだったのかもしれません。
 そして2ヶ月。幹が少しか細いのが気になりながらも、草丈は2メートルを超える程になり、とても私には背伸びしても届かないようになりました。改めて葵科の植物の生命力の強さを再確認しました。そして小さい蕾をつけました。後は開くのを待つだけです。何とか咲かせてやりたいと、祈るような気持ちで日々眺めています。さらに願わくは、来年の帰省の時には、その二世に会わせてやりたいものだと思ったりしてもいます。


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特集

まつやま俳句でまちづくりの会通信


第29回 松山城歳時記化計画〜三光鳥に逢いに行く〜スペシャル
文 キム・チャンヒ/暇人

 まつやま俳句でまちづくりの会(mhm)が活動を開始して丸5年。
 まる裏俳句甲子園を中心に、様々な企画を立ち上げてきた中で、今年新たに加わったのが「松山城歳時記化計画」。
 今までの、イベントを企画して集客する企画とは異なり、地道に松山城で見られる季語を調査し、データベースにすることがねらい。
 まだ始まったばかりの企画ではあるが、既に沢山の方が関わり、調査自体が松山城を見直す楽しいイベントと化している。
 今回は、6月9日に行われた調査会の模様をお伝えすると共に、今後の展開を報告する。


松山城歳時記化計画でやりたいこと

 俳句を始めたばかりの方が苦労するのは、季語。大歳時記を買えば、季語の写真が載ってはいるけど、実物を知らなければ俳句を作りにくい。また、俳句の中上級者だって、動植物の実際に見られる季節と場所が、データベースになっていれば、ありがたい。
 松山市内で、誰もが簡単に行けて、動植物の季語が揃っている場所はないかと考えたとき、松山城が浮かんだ。松山城のある城山公園なら、動植物だけではなく、お正月には獅子舞や羽子板もある。松山城の麓には、東雲神社もあり、人事の季語も揃いそうだ。
 松山城の季語をまとめることで、松山城を吟行のメッカにできるかもしれないし、そのデータを冊子にまとめることが出来れば、新しい松山城のお土産にもなる。
 実際に調査には時間と費用がかかる。しかし、こんなmhmの活動から、ささやかに街の姿を変えるようなことが出来れば、ちょっと誇らしい。メンバーのそういう思いでこの企画はスタートした。


6月9日調査会報告
文 暇人

 個人的には、二十数年間松山城を観られない場所に住んでいた所から、観られるところに引っ越したので、かなり身近に感じておりますが、城内の自然環境など未知な部分があります。
 過去2回は諸事情で欠席、ようやく参加出来た今回の季語探しの調査会、天候は残念ながら小雨。それでも過去最高の15名が集まりました。中には東予から来て下さった方々も。
 今回は東雲口より登城道を登り、お城の周りを歩き、また東雲口に降りるコース(本来は県庁前に降りるルートだったのですが悪天候のため変更)で季語を探しに出かけました。
 ゆっくりと道を上っていくと、名前が出てきませんが木々に花が咲いてます。アジサイの花も、まもなく綺麗に咲かせようとスタンバイ状態でした。
 興味津々でまるで童心に戻ったように調査する野風さん、今回の歳時記化計画にかける気合いが違います。
 あねご代表は地図上に熱心にメモを入れています。これは今後「松山城歳時記」をデータ化するときに役立ちそうです。
 気がつけば天守閣の下の道に到着。石垣には燕や雀などの巣があるようで、何度も行き来している様子を見ることが出来ます。先ほども触れたように当日は小雨模様。湿気も多く鳥たちの餌となる蛾は低空飛行しそれを追う燕も低空飛行に。向きを変えればキビタキかヤマビタキかの鳥がいる模様。何度も写真に納めようと試みるも失敗ばかり。また姿を見ることは出来ませんでしたが、キツツキと思われる音も聞くことが出来ました。
 終了時刻の12時が過ぎ、長者ヶ平につき暖かい甘酒や一部参加者による宴会が始まった頃雨は本降りとなりました。
 短い時間でしたが「初夏」の松山城に触れることが出来ました。今後季節の区切りごとにどんなことが待っているのか楽しみにしながら城を降りたのでした。(ちなみに五月には鳴声が聴こえた三光鳥でしたが、六月には見られませんでした。残念。)


今後の展開
 松山城は、ロープウェイ乗り場からの観光ルートとそれ以外の保護区とに分かれている。観光ルートには、多彩な園芸種があり、保護区には、啄木鳥など都会ではなかなか接することの出来ない動物の営みを、間近に感じることができる。
 今回、そんな松山城の動植物の豊かさを、mhm会員以外の方の協力を得て再確認できた。今後は、更に多くの方と共に調査を進め、全国(世界?)の俳句愛好家の楽しめるデータベースが出来ればと目論んでいる。
 次回は8月4日(日)14時、松山城ロープウェイ乗り場集合。多数のご参加待ってます!



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特集

「蔵の宴」ジャズ句会


2013.6.30 協和酒造酒蔵にて
神楽坂リンダ


 砥部焼の里、砥部町の協和酒造さんの酒蔵で、小島のり子トリオの生演奏を聴くジャズ句会があった。
 ぽつぽつ雨が降り始めた梅雨空の下、広々として天井の高い酒蔵へ入る。すでに80人ほどの人達が来ていた。地元の夏野菜をふんだんに使った料理が並び、初雪盃蔵元の旨い酒を砥部焼の盃で呑み始めていた。

唇の熱溶かすごと慈雨の昼 てんきゅう

 酒蔵の戸は全て開け放たれ、雨の匂いをかすかに乗せた涼やかな風が蔵を吹き抜ける。

糸とんぼ通り抜けけり蔵の酒 リンダ

 今をときめく女性バーテンダー、古川千栄子さん作の、日本酒「初雪盃」を使ったオリジナルカクテル、HATSUYUKI。水色のカクテルに沈む、初雪を思わせる純白のヨーグルトリキュール。水に映った富士山の様に透き通って美しい。

盃に飲み干す富士の涼しさよ 更紗

 いよいよ小島のり子トリオのフルート、エレキギター、ベースによるライブの始まりだ。

花合歓やフルートの音の転がって マイマイ

 ハンサムウーマンという言葉はジャズフルーティスト、小島のり子のためにあると言ってもいいだろう。演奏中にしばしば見せる、もう楽しくてたまらないという小島のり子の微笑み。その微笑みが軽やかに弾むジャズの調べと相まって、酒蔵の隅々まで浸透していき、人々を心地良い酔いへと高揚させる。

ほほえみをフルートに乗せ蔵涼し リンダ

梅雨空のさらなる先へフルートは 猫正宗

 酒蔵の中に手拍子が湧き、掛け声がかかり、シェーカーを振る音が時折聞こえる。

梅雨の雨横目に見つつ蔵の宴 まゆみん

 「おいしい水」の演奏の前、小島さんが嬉しいことを言ってくれた。
「おいしい水とは酒のことですよ」
そして注目の新曲「初雪盃-Looking Up To The Sky-」の演奏が始まった。

新しいジャズが泉を震わせる チャンヒ

 雨が音もなく降り、蔵の中に脈打つのは今ベースの響きだ。座にある人々は酒を飲みつつ句帳を開き、歳時記をめくる。

走り梅雨脊椎くねらせ打つベース 蛇頭

ベース弾く腕しなやかに夏を呼ぶ こじのり

 ライブのジャズに揺れつつ酒を酌む。そんな時にふと思うことは?

フルートのふとした時の夏の月 蛇頭

 私は車の運転があるので古川さんに作ってもらったノンアルコールのカクテルを楽しんだが、女性の皆さんもほんとに旨そうに初雪盃蔵元の酒を呑んでいた。

ぐい呑みの白眩しかり大西日 マーペー

 この日女性に大人気だったのはこの句だ。

冷酒や何抱くための腕ならむ てんきゅう

 この句に対する更紗さんの選評が単刀直入、まことに鮮やかだった。更紗さん曰く、「今抱かなくていつ抱くの!という句です」これをドラマチックに言ってくれたものだから、やんやの喝采。蔵の中は最高に盛り上がった。
 そんな句会に俳号「こじのり」の小島のり子さんや、バーテンダーの古川千栄子さんも参加してくれた。蔵、ジャズ、おいしいお酒。そして句会。大勢の方々の協力あってこそできたことだ。またやって欲しい!
 梅雨空だからこそと、雨や空の曲を特に選んで演奏してくれたこの日のライブ。第二部の最後の曲はOver the Rainbow、「虹の彼方に」だった。ジャズの余韻と句会の余韻に浸りながら、雨上がりの松山自動車道を走っていたとき、目の前に突然大きな虹が現れた。頭の中で「虹の彼方に」が鳴り出す。偶然とは思えない虹の出現に、楽しかった「蔵の宴」へフラッシュバックするような感動を覚えた。



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百年百花


大人コン選考会員4名による4ヶ月間競詠
2013年度 第二期 1回目


「アボカドの種」亜桜みかり

聖五月波尖るまで波を見て
砂浜の浮玉かすめ夏燕
身も蓋もなく弾けからすのゑんどうは
夕薄暑ホーム突つ切る白き猫
憧れの教授の話花茨
記者席へ置かるるレジュメ青葉冷
さくらんぼ買つて御宝町交差点
草踏んで仲夏を錆るドラム缶
青梅雨を受けそこなつてアガパンサス
梅雨晴間母の前髪切りそろへ
粗塩を壺へ振込む夏の星
アボカドのナイフで外す種晩夏


愛媛県松山市生まれ。天秤座。ホームは今治三日月句会。趣味は卓球、絵手紙、そして健康情報収集。




「水・みず」樫の木

芒種けふ波打つてゐる虎の腹
緑陰に背の隠者めくマンドリル
プレーリードッグは南風の歌を聴く
玉葱を吊りて喫茶の通り土間
アイスコーヒー代を被災地にカンパ
雷鳴が背中を叩くジャズ喫茶
梅雨寒の小鳥の籠る大樹かな
あめんぼの時には水に潜りもす
夏蝶に水のくびきや沿うて飛ぶ
ほうたるを捕らへて軽き野球帽
蛍火の落ちて水面を流れけり
花南天つましき妻の薄化粧


1965年、松山市生まれ。大分県在住、家具職人。妻と猫二匹と陽気に暮らす。俳句暦7年。合唱暦35年。




「待ちてたも」柊ひろこ

拝啓時下煉獄の候金魚玉
糞虫は糞より生まれ雲の峰
液晶に雲を呼び出す原爆忌
ミサ曲の冒頭ざわと青あらし
二人ゐてふたり傷つく西日かな
試合後のネットに遊ぶ夏陽炎
心霊のごとく海月は飼はれをり
受難果実(パッション・フルーツ)花芯涼しき十字星
虻がくる大ひまはりの貌刺しに
笑ふなりサイダーの気の抜けるまで
死人出ていよよ賑はふ祭かな
根の国の泉のそばで「待ちてたも」


2005年俳句と遭遇。2008年「銀化」入会、2011年同人。長く人間をやらせていただいております。俳句に安住してしまわないようにせねば。




「回」朗善千津

車椅子回して進む蓮の池
誕生日祝ふともなく寿司回る
流れ込み木つ端を回す田水かな
夏落葉舞ひ上がれ回転木馬
退屈なバナナ回して皮むいて
大文字炎の回る音を聞き
ひぐらしや五百羅漢の回廊に
千人の入江を回る花火の夜
回覧板濡らさぬやうに新豆腐
撫で回し切ると決めたる西瓜かな
蓼の咲く桟橋へ舟回しをり
稲の花風唸りつつ回り出す


山中湖村に引っ越し中。ニックは、山梨と松山を行ったり来たりしながら演奏活動。私は、松山はいくガイド改め、普通の俳句ガイドになります。




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放歌高吟


私信
夏井いつき

あをあをと余震の過ぐる蛍かな
呼べば泣く山彦ならん蛍の夜
へとへとと風鈴の舌湿りしよ
その雨の夜の草笛語りかな
木の椅子や髪を洗えば匂う星
髪洗う静かに暮らすとはこんな
短夜の星やフランスより私信
大聖堂へ夏至の人波うごきけり
果実甘し青き日除のリストランテ
ドラムのない世界と薔薇のない明日
痛点はひかり黒揚羽のかがやく
木下闇とは口開けている無音


 例えば兼題「蛍」で俳句を作ろうとする時、「蛍」という季語の現場に立った夜の一コマ一コマが、驚くほどリアルに蘇ってくる。真っ暗な足元、河原の石の感触、湿気を含んだ暑さの名残、冷気を含んだ川の匂い。あの日確かに自分の躰が感じ取った五感の感触が、微細に再生されていく。
 俳句を続けていく上で、「躰が記憶する季語感覚」は大いなる財産にして、貴重な情報だ。今、目の前に「蛍」がいなくても、私たちは躰に刻んだ季語情報を再生させることで、想念の中に、生きた「蛍」を放つことができる。虚と実の世界に遊ぶとは、「躰が記憶する季語感覚」を豊富に有していてこそ可能な、究極の遊びだ。
 今日「しまなみ海道句会ライブツアー」という名の吟行会に出向いた。大島の宮窪港から観潮船に乗り、能島村上と呼ばれた水軍の根城・能島へ向かう。この島の頂上の平らな部分に海賊たちは海城を建てていたというのだが、こんな小さな島が本拠地? 攻撃されたらひとたまりも無いよ! と思うほどの小ささ。あまりに無防備ではないか……と思ったのだが、なんのなんの、その海域に近づいていくと、複雑な潮流が激しく渦巻き、白波が猛り狂っている。潮の特徴や岩礁の位置を知らない船は木っ端微塵となるか流されてしまう、というガイドの説明に成る程と頷かざるを得ない、まさに自然の要塞というべき島であることが分かってくる。最速10ノットと言われる潮流の飛沫、船底を突き上げる潮のうねり、エンジンを止めたとたん渦に巻き込まれていくスリルは、今日の吟行会に参加した誰もの躰に刻み込まれた貴重な季語感覚だ。
 「渦潮は春の季語ですが、今日の体験を夏として詠んでもいいんですか。」参加者の何人かからこんな質問を受けた。確かに「渦潮」は春の季語。他人がその一句を詠めば、春の句として鑑賞するに違いないが、「渦潮」が生き生きと表現できたなら、それもまた佳し。さらに、夏の「渦潮」として表現したければ(上級者の技ながら)季重なりの逸品として仕上げることも可能。
 季語から受け取る五感情報は、いわば季語からの私信だ。季語たちが、五感に語りかけてくれる言葉を躰に刻みながら、私たちは「私」という俳人を育てていく。「私」を豊かに育てるために、私たちは季語の現場を目指し、季語の現場に立つのだ。




夏井いつき公式ブログ「夏井いつきの100年俳句日記」

http://100nenhaiku.marukobo.com/


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読者が選ぶ人気俳人!

100年俳句計画作品集 100年の旗手


(2013年7月号 〜 2013年9月号 2/3回目)


 ジャンプ 睦

梅雨明やにはかに増える駅の鳩
プレハブの給湯室の麦茶煮ゆ
雲の峰立つ二桁の背番号
ジャンプして氷屋の旗たたきゆき
夕立や疾走の背の透きとほる
夕凪やキャッチボールの下手つくそ
舟洗ふ人や夕焼のつつけんどん
蚊を打つて血縁薄き墓に水
日焼子の渡る橋から日の暮れて
白々と月下美人の起動せり


むつみ。八幡浜市在住。ホームはさえずり句会。熱いことが大好きな感動屋。日々の感動や想いを素直に詠むこと、そしてそれが誰かに伝わることが目標。



 空の日 むめも

白メダカ無神論者の日曜日
短夜の今を重ねて眠る猫
なめくじら似て非なるもの世に数多
緑陰のこむら返りを耐えるのみ
淋しさに名前をつける半夏生
約束の虹を探しに行くところ
水打てば響く大気の安堵かな
片陰り動悸のわけを知っている
濡れそぼつ秘すれば蓮の花日和
海の日があるなら空の日は今日ぞ


初めての投句は6年前、「俳句の缶づめ」でした。趣味は俳句ですってまだまだ恥ずかしくて公言できない、でも「いつき組」組員ですとは声を大にして言いたい、そんな松山の、猫好きアラ還女です。



 野の雨 かのこ

紫の校舎の底や梅雨の雷
宛先は小児病棟かたつむり
児等の手へ一人ひとつの枇杷あかり
野の雨やぷるるぽろろと花柘榴
雨の渓いよいよ黒き子鹿の眼
金色の河鹿の笛を拾ひけり
朝の陽をころんと宿す李かな
夏茱萸のシャララ記憶の風の色
少年の不機嫌な眼や青胡桃
海鳴りの岬や烏瓜の咲く


小学校勤務。息子たちの出場した俳句甲子園の観戦で、俳句に魅せられました。小学生といっしょに、俳句のある生活を楽しんでいる毎日です。



読者が選ぶ人気俳人!
「100年の旗手」連載者推薦募集

 今求められているのは、読者が読みたいと思う俳句作家。「100年の旗手」は、連載する俳人を、編集室ではなく、読者が選ぶコーナーです。
 「この人の作品集を読んでみたい」と気になる俳人を、1人3名まで推薦してください。その中から、推薦の多かった方に、編集室より原稿依頼を行います。
 あなたのお勧めの俳人を是非推薦してください。

 推薦の方法

「この人の作品集を読んでみたい」という人を3名まで選んで(自薦は不可)、その俳号と活動場所(句会・誌面等)・推薦者ご自身の俳号(本名)・住所・電話番号を明記して、100年俳句計画編集室「作品集推薦」係へ送ってください。ハガキ・FAX・Eメールで受け付けています。Eメールの場合は件名を「作品集推薦」としてください。また、専用のインターネット投稿フォーム(http://www.marukobo.com/100kishu/)でも受け付けています。※投稿フォーム利用の場合を除き、推薦は他の投稿等とは分けてください。

締切 8月末日

 現在連載している3名の方以外なら、一度連載された方も含め、どなたでも推薦できます。
 また、今回連載を行っている3名の方への感想もお待ちしています。よろしくお願いします。


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百年琢磨
先月号の「100年の旗手」に寄せて

発見を詠む 平敷武蕉

「野に放つ」 かのこ

夏は来ぬ光の児等を野に放つ
 エネルギーに満ち溢れた子どもたちを「光の児等」と表現し、その、教室に収まらない元気なさまを「野に放つ」としたのがいい。ただ、「野に駆ける」と児等を主体にしたらどうだろう。

はつ夏の花かごのごと通学帽
 「通学帽」を「花かご」と捉えた感性がいい。元気に通学する子どもたちへの優しい眼差しが伝わる。

百本の光を編むやあめんぼう
 あめんぼうが陽光を受けてきらめく水面を滑る光景を、「光を編む」としたのがいい。小さい生き物の生き生きとした動きがやさしく切り取られている。


「遠雷」 睦

万緑に全力で立つ生家かな
 久しぶりの帰郷。両親の住む生家が万緑のごと意気盛んな様子であることがたのもしく、力が湧く。

すれ違ふ人ゐてジャズは夏カモメ
 ジャズが流れ、カモメが舞う海辺のにぎやかなバカンスの様子がよく表現されている。ただ、なぜ、旧仮名遣いにしたのであろうか。この句では、似合わない。

夕焼けと酸素ボンベを脱ぎにけり
 美しい海の中を一日遊泳したのであろう。心地よい余韻と疲労で海から上がる様子と心象を「夕焼けを脱ぐ」、「酸素ボンベを脱ぐ」と表現したのがいい。


「リボンの騎士」 むめも

猫のため息ひとつ夏蜜柑ふたつ
 穏やかな昼下がりの一齣を猫と蜜柑でうまく切り取った。おかしみも滲む。

跳ね上げた泥の若さや夏木立
 泥が跳ねるのは決していい光景ではない。そのマイナスのイメージを掲句は「泥の若さ」とプラスイメージで捉え返している。季語の「夏木立」と相まって、生命力あふれる勢いの夏に立ち向かおうとする作者の気持ちが伝わってくる。

夏の雲リボンの騎士は母になる
 夏の雲とは入道雲が代表的であり、荒々しく男性的とされる。この句は、そのような入道雲を、優しい「リボンの騎士」として捉え、母をイメージしたところに発見がある。けだし、俳句を詠むとは、既成のイメージに新たな発見を呼び込むことである。


平敷武蕉
1945年、沖縄県生。著書『沖縄からの文学批評』。俳句評論集『文学批評は成り立つか』で第三回銀河系俳句大賞を受賞。俳句誌『天荒』編集委員。文学同人誌『非世界』編集責任者。


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新 100年の軌跡


第5回


網戸 久保田牡丹 

正露丸の瓶の黒々虎ヶ雨
薫風やローマ数字の腕時計
城壁の大小の穴青蜥蜴
宇宙より黒くごきぶり果てにけり
豆避けるやうに箸入る豆ごはん
先生のスキンヘッドへ蚊の柱
白薔薇のペットボトルといふ花瓶
網戸張り替えて明るき海がある
弁当を開けばパセリ膨らみぬ
夏至の夜の金平糖のより尖る
グローブを磨く青梅雨聴きながら
注射器の針の穴際立ち目高
竹の皮脱ぐは発情かもしれぬ
一人称「私」に正す初夏の門
空梅雨の雑誌崩れてゐる書店


久保田牡丹
1991年生まれ。松山中央高校出身。「どんな人にも分かりやすい俳句」を目指して頑張っています。よろしくお願いします。




マツヤマ 紫音

明るいモノクロ殺伐とした夏
夏兆す水色多き付箋かな
達筆の品書き回し山若葉
上向きの鏡に映る夏暖簾
浴衣置いてきたから帰るなど嘘
いっせいに前歯なくして燕の子
ぐわぐわとレの音で鳴く雨蛙
焼ききれぬ茂吉の恋や日雷
五分袖の日焼隠せず五分買って
商品保証書在中扇風機
少女らの背中で跳ねし団扇かな
月涼し影が先行く散歩道
片蔭のギター弾く爪伸びている
傷口の臭いを嗅ぎて風露草
手の甲にイニシャル浮かび夏の星


紫音
1990年生まれ。松山市在住。2011年から俳句甲子園実行委員会所属。2012年2月、俳句を始める。2013年3月、松山大学法学部卒業。




宇宙と傷口 マイマイ

城壁の大小の穴青蜥蜴 久保田牡丹
 城壁には敵を狙い撃つための大小の穴があり、戦争のための装置であったそれは、今、蜥蜴の隠れ場所になっている。青蜥蜴の微妙な色合いがなんとも味わい深い。

宇宙より黒くごきぶり果てにけり 久保田牡丹
 そんなわけなかろう、と思う。が、果たしてだれが宇宙の黒さを知っていよう。

一人称「私」に正す初夏の門 久保田牡丹
 誰かを訪ねるのであろうか。失礼の無いように髪形や服装を最終チェックする。「初夏の門」がすがすがしい。

達筆の品書き回し山若葉 紫音
 「回し」で何人かでこの店を訪れたことがわかる。「山若葉」の瑞々しさに期待感が高まる。

少女らの背中で跳ねし団扇かな 紫音
 帯の背中にはさみ込んだ団扇だろうか、少女らもまた跳ねているのか。高揚感が伝わってくる。

傷口の臭いを嗅ぎて風露草 紫音
 傷口の少し湿った感触と、風露草のひょろりと伸びた姿の取り合わせが印象的。


2003年11月頃よりラジオに投句を始める。いつき組選評大賞2007年優秀賞、2008年奨励賞受賞。



おだやか 瑞木

 自分が選句した句を見て、その時の自分の気分に気付くことがある。今回はおだやかで明るい句に惹かれた。と、いうことは……

薫風やローマ数字の腕時計 久保田牡丹
 時間に追われる現代人の象徴であった腕時計も、スマホの台頭する昨今では余裕のある人の象徴となりうるのであろうか。小粋なローマ数字の文字盤と薫風が似合う。

弁当を開けばパセリ膨らみぬ 久保田牡丹
 新鮮で大振りなパセリが目に浮かぶ。独特な青臭さのあるパセリは強い生命力に満ちあふれている。元気が出そうな弁当だ。

達筆の品書き回し山若葉 紫音
 新緑の観光地の蕎麦屋かうどん屋であろう。テーブルに置いてある手書きの品書きも物珍しく、何を食べようかとワイワイ迷う楽しい時間だ。

月涼し影が先行く散歩道 紫音
 影が出来るくらい明るい月夜、自分の影を道連れに静かな散歩を楽しむ。人工の光の多い街中では無理であろう。田舎ならではの豊かな時間だ。


1963年生まれ。愛媛県八幡浜市日土町在住。第2回選評大賞最優秀賞。


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超初心者から中上級者まで楽しめる
100年投句計画

 「100年投句計画」は、読者の投句コーナーです。

 「選者三名による雑詠俳句計画」は、雑詠句の選句欄です。投句の中から先選者二名が、それぞれ天・地・人の句を選び、先選より漏れた句の中から、後選者が特選・並選を選んでいます。今回の先選者は、阪西敦子さんと加根兼光さん。後選者は、関悦史さんです。

 「へたうま仙女」は、ヘタな句を褒め、巧い句を追放する、世の選句欄とは真逆のコーナーです。どんなにヘタな句でも褒めてくれるので、自分の俳句に自信のない方、何はともあれ褒めて欲しい方に最適(?)。担当は杉山久子さんです。

 「自由律俳句計画」は自由律俳句の選句欄です。自由律俳句に挑戦することで、自由律俳句ならではの楽しさを味わうと共に、有季定型の俳句との思わぬ共通点も見えてきます。選者は、きむらけんじさん。

 「詰め俳句計画」は、マイマイさんによる、二つのフレーズに合う季語を投稿するコーナーです。季寄せや歳時記さえあれば、全くの俳句初心者でも挑戦できます。
(投句方法は「100年投句計画」コーナー末尾参照)
写真:白鯨


選者三名による雑詠俳句計画


先選者 加根兼光

 祭の季節である。関西では祇園祭に続いて天神祭で最高潮になる。もちろん全国的には天神祭の知名度は低いかもしれないが大阪の体温はこの祭で全開になる。しかし関西の夏の祭のスタートは夕陽丘の愛染祭。地元では「愛染さん」と呼んでいる。名越の祓の日に宝恵駕籠に愛染娘が乗り愛染堂へ向かって練り歩く。新地や今里の芸者さんが乗っていたのも今は昔。この記事が読まれる頃にはもう秋。そして残暑の候であるが。



棒切れのやうな歌声泉湧く みちる

 棒の切れっぱしのような歌声であるからブツブツと切れ切れになり荒々しさのある声たちであろう。心身の事情があって声を出しにくかったりする人たちの歌声かもしれない。あるいは世界のどこかの民族の地声で唄われる歌なのかもしれない。「湧く」という動詞を伴った泉の勢いのような歌声の力強さをも思わせる。太いごつごつとした棒切れのような声が湧き上る水と混じるときに生まれる生命のほとばしる句である。



遠雷や週に一度の父来る日 小市
 父と離れて暮らす子。離婚し母と暮らす子を訪れる父なのか、嫁いだ娘の家を通院か何かの折に訪れる父のことなのか。そんな日の父を待つ子の心情はどのようなものか。「遠雷」という季語が父子の微妙な距離感を演出している。

取り出せる去年の香りごと日除け ほろよい
 昨年の秋口にしまい込まれた日除けを取り出す夏。取り出しているのは去年の日に焼かれた匂い、子や孫の声もそのままに巻かれた日除け。その去年の「香りごと」まさに今広げられる日除けの臨場感が夏の到来を告げる。

入梅を告げる一雫に濡れる 紗蘭
 入梅を告げる主体は何なのか。ニュースかもしれないし誰かに言われたのかもしれない。しかし作者はひとり小さな雫に濡れている。いや濡れているように小さな個体として在るだけかもしれない。この長い夏を感じながら。

鳩の胸豊かに白し夏兆す 一走人
 全てが夏めくころ、見慣れているはずの鳩の胸は他の季節にもまして白く輝く。「豊かに」と表現したことにより夏へ活性してゆく鳩と季節が眩しさを増してゆく。鳩の胸はいよいよ白く、包む季節はいよいよ輝きを増す。

トロッコやりゅんりゅん流れゆく青葉 緑の手
 「りゅんりゅん」というオノマトペの元気さはどうだろう。トロッコの速度と川の速度は倍加されて青葉を押し流す。上五で「トロッコや」と詠嘆したことで乗っている作者の位置や目線も描かれる。体感を伴った句である。

白シャツの濡れて綺麗な肩甲骨 瑞木
 濡れた白シャツを後ろから眺めている。大量の汗をかいたか勢いよく水をかぶったか。シャツには肩甲骨の三角形が見事に透けている。男か女かは見る立場によって変わろうが夏の健康的な美と読んでおこうかな。



蟷螂生まる俺達は腹ペコだ かのん
かろやかに開けて閉づドア更衣 野風
片蔭のふて寝の犬の耳立ちぬ 八木ふみ
梅雨晴や書棚二階に担ぎ上ぐ 青蛙
我が脳にジュラ紀の地層蟇交む 桜井教人
客待ちのタクシー冷房車と書かれ 亜桜みかり
夏の雨また逢うために借りる傘 うに子
夏の月つまんで無防備な唇 てんきゅう
墜栗花雨風呂の温度を上げてくれ  えつの
葉桜の葉陰や水の匂ひあり 哲白


先選者 関悦史

 俳句関係の知人は愛媛出身者が少なくないのですが、どうもあっちの方は別子銅山跡だの佐島製錬所跡だの、素晴らしい産業遺産が多いらしい。廃墟好き、現代美術好きとしては何とか折を見つけて訪れたいところで、句会や紀行エッセイなども出来ればさらによい。土地の魅力というのは、どれだけ古いものが残っているかとほとんどイコールなので、私の住む土浦のように再開発を繰り返してどんどん寂れる愚を犯さないことを祈ります。



蟻の這う簡易テーブル畳みけり  しんじゅ

 笑わせようとし過ぎていない抑制のきいたおかしみがあり、何をどうしたという簡潔なことしか述べてはいないのに、そこからいろいろなものが汲み取れて、俳句を読んだなという実感が持てる句です。簡易テーブルは外に設置され、脚に砂など付いていたのでしょうし、「簡易」の語がそんなに大規模で荘厳な行事だったわけでもないのだろうと思わせる。生命としての次元が違いすぎ、意思疎通が不能な蟻の驚愕を通して、人の暮らしと自然界との間に不意に走ったリアルな接線が感じられます。



麦秋を一匹の影それはバス 松ぼっくり
 動物じみた不思議な気配を帯びたバスを表現するのに、麦秋を這う生々しい影としてまず提示し、最後に「それはバス」と明かす型破りな語順が無理なくまとまっていて余韻あり。生気が風景全体に浸潤していきます。

子に切られ身を硬くする夏野菜 魔心地
 実体感と意外性のある擬人法で、擬人法というよりは下手に切られる夏野菜への瞬発的な共感でしょう。「身を硬くする」の擬人化は度を越しておらず、子の手際を直接心配するよりも遥かに鮮明な句になっています。

万歳で干乾びている蛙かな 鞠月
 似た着眼の句はおそらくあちこちにあるのでしょうが、意外と鮮度あり。喜びの姿で死んでいるという滑稽味がきつすぎると採れなくなりますが、中七で即物性に舵を切った結果、ドライな中にあわれさが立ち昇っています。

鹿の糞数えて蛭の這ううなじ ザッパー
 「鹿の糞」という菓子もあるらしいのですがここは現物と取るとして、益もなさそうな行為に誘い込まれているうちに蛭に這われてしまうという諧謔を通し、机上では出てこない自然と土地の手応えが出ているのが見事。

蝶の息かみそり色の夜が明ける ターナー島
 「蝶の息」の微弱さへの意識を、かみそり色の夜明けという暗喩で繊細さから大自然の強靭さにまで貫通させ、飛躍が詩性を生んでいます。繊細な感覚に耽る自分を消して受動性に徹し、鋭さがぎらついていないのが長所。



走り去る改造バイク宵祭 ヤッチー
湯につかる猿となりけり夏の午後 小市
棒切れのやうな歌声泉湧く みちる
耐へること得意がる人茄子の花 あらた
清拭タオル二枚でぬぐう夏至の昼 妙
食券は販売機です夏の山 蓼蟲
青芝や女子高生の蟷螂拳 匠磨
天空の廃墟をなぞる蟻の道 うに子
白シャツの濡れて綺麗な肩甲骨 瑞木
雲が雲喰うて三河の杜若 恋衣



後選者 阪西敦子

 今、住んでいる町に引っ越してきて3度目の夏を迎えている。生まれて36回中の3回は12分の1だななどと思う。去年までは18分の1だった。当たり前か。その前に住んでいた町が、それは東京の逆サイドであったけれど、2回に渡って3分の1で一番長く、次が高校時代と初任地を過ごした町の4分の1。パリで1、ボルドーで1は、谷でも金、ママでも金みたいだ。今の町には花火があるのが気に入っているのだけれど、あいにく今年も仕事で、まだ一度も見られたことがない。


特選句
この肩に静かにつきし毛虫かな ぴいす
 「この肩」とは自分の肩であろうと思う。そこに毛虫が落ちてきて、静かに着地、いや着肩した。「肩」と一般化せず、「我が肩」ともせず、「この肩」として、「静かに」として生じた毛虫との距離には諦念さえ感じる。

十薬を抜きて掘りたる猫の墓 樫の木
 十薬は連なっていて、抜くのに骨が折れる。だけれども、転々と白く花をつけた十薬をずるずると抜いて、黙々と抜いて猫の墓を掘るのである。暗がりにかなしみが煮詰まってゆく。

黒揚羽の飛び去る一瞬水ひかる 省三
 黒揚羽の大きな羽が動くとき、水面へ光を返す。黒揚羽へひきつけられた視線の変化によるものかもしれない。少し大げさかもしれないけれど、その大げささえ許せてしまうのが黒揚羽の存在である。


並選句
図書館に満つる匂ひや入梅す 藍人
教室に誰も居なくて夏の雨 のり茶づけ
大の字にふて寝してをり日焼の子 杉本とらを
雲海に神の使徒観む機窓かな 藻川亭河童
ゼリービーンズのどの色好きや雨蛙 もね
トランクに小さき靴あり子供の日 迂叟
直進の矢印の白樟若葉 油番
夏暖簾暗き三和土の見え隠れ 柳葉魚
行く春や大煙突の消へる島 人日子
珈琲やゆふべの蛍まだ光り 朗善千津
甚平のなじめぬ身体ばらばらに 幸
豌豆をむく手小さきやそろそろと 富士山
細くなるガードレールや夏木立 よひら
背景は山の鉄塔桐の花 樹朋
立葵養護施設の庭に立つ おせろ
花桐や境内にある子規の句碑 れんげ畑
歌声の届く校門花石榴 八十八
鰺売りが合掌している札所前 小雪
明易や起伏の多き夢見なり 七草
暦には何の印か梅雨に入る 元旦
薫風や海峡渡る赤き船 一心堂
八月や臍に隠れる臍の胡麻 大塚めろ
麦秋の中に小柄な老夫婦 和音
白黒映画に蚊遣少しにほふ 犬鈴
吾に触れて鳴りしを青葉風と呼ぶ 牛後
山中の石榴の花の朱なる哉 輝女
花柘榴おちて雨脚速くなり まんぷく
白き歯の溢れる笑顔日焼けの子 ふーみん
紫陽花やマリアベールの揺れる朝 Banca
足かわす先に亀おり田草取る 空山
銀色に追ひかけらるる蛞蝓 なゝ
決勝は茅花流しのグラウンド ポメロ親父
炎昼や屋根瓦葺く音軽し レモングラス
天からの通知も無しに夏出水 西条の針屋さん
重き汗纏わり付くを脱ぎ剥がす 青柘榴
小満の猪の腹より仔がみっつ さち
カラフルな洗濯挟み梅雨に入る 恋衣
独り居の白き洋館青葉木菟 あおい
雨樋に溢るる滴竹の秋 サキカエル
羅を着て約束のカフェに入る むらさき
古本の匂いおだやか夏の暮 アンリルカ
蛍追ふ鎧を棄てし吾子の背な 翔ちゃあちゃん
水無月の鉄削る音磨く音 浜田節
しゃぼん玉歌も子供も無き村に ちろりん
ハイヒールから入りたる木下闇 親タカ
青簾風ニ西口東口 北伊作
竹刀打つ確かなリズム更衣 コナン
ままっこのふしぎ葉っぱのまん中に花  エノコロちゃん
乗り継いで乗り継いであの蝉時雨 カラ嵩ハル



関悦史(せきえつし)
1969年茨城県生。「豈」同人。第1回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞。第11回俳句界評論賞。2011年第一句集『六十億本の回転する曲がつた棒』刊行。翌年、第3回田中裕明賞。共著『新撰21』『超新撰21』『俳コレ』(以上、邑書林)、『虚子に学ぶ俳句365日』『子規に学ぶ俳句365日』(以上、草思社)他。雑誌「現代詩手帖」俳句時評欄担当(2012年1月〜)

阪西敦子(さかにしあつこ)
1977年神奈川生まれ。1985年より作句、および「ホトトギス」生徒児童の部へ投句、2008年より同人。「円虹」所属。 201年、第21回日本伝統俳句協会新人賞受賞。共著に「ホトトギスの俳人101」「俳コレ」など。

加根兼光(かねけんこう)
1949年大阪生。俳句集団「いつき組」組員。第9回俳句界賞受賞。



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へたうま仙女


文 杉山久子

 下界ではさぞや皆さん暑くてたまらん日を過ごしてるんじゃないかしら。暑中お見舞い代わりのクールな句なぞ読みたいわね〜。

紫陽花はシュッシュッシュッと機関車です  KIYOAKI FILM
トイレには僕が居るんだ夏の夜や  KIYOAKI FILM
 一句目、大胆な配合で異彩を放つ作品。シュッシュッシュの迫りくるリズムが怖い。雨に濡れてるときはしっとりとしておりながら、どこかうるさげな紫陽花の花の生態と相まって不条理な世界を抄出。この機関車の勢いでへたうま界を驀進してね。
 二句目、いるのよね〜こんな人。トントンと来たから、トントンと叩き返してるのに、返事を待てずにトントンするの。「入ってますっ!」作者の叫びがダメ押しの「夏の夜や」に籠められて暑さ倍増。

葛餅の中にひそみてぷよぷよん 洋子
 葛餅の中というから餡子の気持ちになってるのかと思ったのだけど、もしかすると、葛餅が沢山並んでる間に挟まって(本人は指くらいの大きさになってる)ぷよんぷよんの感触に身を委ねてるのかもしれないわね。気持ちよさそうで悶絶しそうよ。

園児らの目の驚きやおじぎ草 未々
 触るとおじぎすると教えられてやってみたら「ほんと」とびっくりしている子供の表情をクローズアップ。「目は口ほどに物を言う」とは本当だわね。

へたを見てたぶんトマトだと思ふ 藤実
 それがどうした?という向きもあろう。「たぶん茄子だと思ふ」「たぶん柿だと思ふ」と色々できるじゃろう?とも言えよう。でも作者がトマトだと思ったことが大切なんですね。(なぜか突然丁寧口調)。まさかへたうまのへたじゃないよね?

星の夜は玉葱十個刻みけり てん点
 トマトの句のぼんやり感に比べ、こっちは何を作るのか随分頑張ってる様子。「星の夜は」にわくわくしながらやってる気分が伝わってくるわね。キャンプのカレー作りかしら。

あの人ももうそんな年 夏が来る ケンケン
 一字空けの所で、読者もそれぞれの「あの人」を思い出してしみじみ感慨にふけってしまうわね。さらっとつけられた「夏が来る」もそれぞれの思い出の夏を呼び起こさせるのね。

絶望から希望へ田植え眩しや たっ君
 「田植え」の行為に人生の真理を見たのね。破調に加え「眩しや」の絶唱にくらくら。

磯鵯鳴くジブの天辺に昼 だなえ
 こちらは眩しいとは言ってないけれどまた違った眩しさ。海の上の至福の時といったところね。 

梅雨の月抱かれて折れしあばら骨 更紗
 骨が折れるほど強く抱きしめられたのね。自慢かい!と思って読んだのだけど、ふと、骨粗鬆症が進んだ人がベッド移動の時にゆるく抱き上げられたのにもろくも折れてしまった、と読んだら「梅雨の月」が切ない光を放ちはじめたわ。追放候補。

黒揚羽土を知らないハイヒール 山ぐるぐる
 アスファルトやオフィスの中だけ歩いてるのかしらね。ハイヒールの持ち主を想像させる黒揚羽で、優雅な足運びも見えてくる感じがこれまた追放候補。

 以下追放〜。

犬の鼻ひんやりとして桜桃忌 ひでこ
 犬の鼻のひんやり感と桜桃忌のひんやり感が絶妙なマッチング。桜桃忌の句としても一歩先ゆく新鮮さがあってかなしいかな、追放。

蝸牛殻に篭りて転げけり カシオペア
 蝸牛が自分の身の重みで殻ごと転がるまでをじっと観察したのね。見ている方はちょっと可笑しいのだけど、転がる方はあわれ。

 ゆるめの追放。

新緑のふさぎの虫をはべらせる 小木さん
 新緑のころはふさぎの虫の活躍する時期。「はべらせる」といったところに共存しようという温かな心持ちを感じるわね。
    
 通報!!

夏バテは続く不審者は次々 柊つばき
 先月スニーカーでの家宅侵入があったばかりで、今度は不審者が次々とは。夏バテしてる場合じゃないわよ。

 追放はともかく今月も通報者を出してしまったわ! 誠に遺憾。暑さに惑わされず、へたうまの道に励んでよね。



杉山久子(すぎやまひさこ)
1966年生まれ。第二回芝不器男俳句新人賞。句集『春の柩』、『猫の句も借りたい』『鳥と歩く』。


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自由律俳句計画


選者 きむらけんじ

 長野県あたりで、どこから来たのか蛞蝓(ナメクジ)の外来種が繁殖している、と新聞にあった。なななんと10センチ〜15センチの大きさらしい。これが野菜などを食い荒らして在来種を駆逐してどんどん巨大化していく可能性もある。そのうち玄関開けたら1メートルのナメクジが寝ていた……みたいなことになったりして。そうなると塩もひとつまみどころではなく、バケツに3杯くらいは必要になって大変なのだ……とかそういう問題ではないのか。「誰れからも好かれぬ自由なめくじり(仲寒蝉)」。



みしみしと睡蓮生まるる午後 七草

 「睡蓮生まるる」とは、たぶん睡蓮の花が開くことを言っているのだろう。睡蓮の花は夜閉じて昼開くと辞書にはあるが、なにもかも油断していそうな気だるい午後に、人知れず開花するのだろう(なにしろ開くところを見たことがない)。しかしその実際は、ロマンティックと言うよりは生命体としてみしみし起動する……まさに「生まるる」ような現象ではないか。画家モネの名画「睡蓮」のような、ふわっとした写生句に流れそうな題材ながら、「みしみし」「生まるる」という言葉で緊張感のある午後にしていると思う。




死人を運ぶ列車かもしれぬ揺れる 藤実
 日本のような国では、なにかの都合で死者を運ばねばならないとしたら車とか飛行機とかではないだろうか。とすれば揚句は、海外のひょっとしたら途上国なのかもしれない。もっといえば紛争国なのかもしれない。牛も羊も荷物も人間も一緒に運ばれるような列車かもしれない……想像はふくらむ一方なのだ。それもこれも一見無責任そうに置かれた最後の「揺れる」というひと言が絶妙の起爆剤になっているからだ。

両手の花火が消えるまで走れ 樫の木
 むかしのATG(古くてスミマセン)の映画のワンシーンを見ているような気がする。両手に花火を持つのも、それを持って走るのも理由などない。すべては青春という名のもとに許されていた時代を彷彿とさせてくれる。いまはもっと「青春」は賢くて冷静のような気がする。有季定型では、この感じは出しにくい。

薄暑の化粧品売り場静か 亜桜みかり
 そう言われてしまえばそんな気がする。春でも秋でも冬でもない薄暑のころはそんな気がする。実際はどうであれ、そんな気にさせるのは句の力なのだ。この静けさが食品売り場なら、この百貨店ヤバイ……という思考になってしまうけど。

稲妻を吸い込んで角を立てるつもり 牛後
 飼っている牛とその牧場に光る稲妻を、作者は詠んでいるのだと思う。「稲妻を吸い込む」という表現が美しい。ここまで表現が昇華整理されておれば有季定型に収まりやすいし、そのほうが句の座り心地がよいような気もする(余計なお世話で、またまたスミマセン)。蛇足ながら牛を飼われていることを知らない人が読めば、怒る妻の句になるのだろうか……。

冷や奴に休む マイマイ
 文字面は6文字。数えても9文字しかない。短詩系自由律の最たるものなのだ。それでも十分に理解はできる。こういう句は、無駄を削ぎ落としたぎりぎりの言葉から、いかに想像をふくらませられるかにかかる。最も有名なのは「陽へ病む(大橋裸木)」。短かければエライということではありませんが。



わたくしの犬わたくしの腕の中 柳葉魚
夜の川見てトマト食う 朗善千津
平手打ちかわして閉じる恋 幸
貝塚に鹿の骨在りし日の夕餉 迂叟
オムライスの皮が破れていて暑い ひでこ
銭湯廃業して蝉時雨 マイマイ
草引きの音して牛は草喰う しんじゅ
どこかに何かが落っこちた梅雨の雷 空山
蛞蝓の寄り合い場所へ塩一握り ポメロ親父
ピンヒール乳母車に犬ニ匹 たま
空に触れたい額紫陽花 てんきゅう
こぶしの木も政治も右に傾むく ちろりん


並選
ロボットも色つきの夢を見る 藍人
この頃よく話す遺影の父 のり茶づけ
a咳出るなあaaa KIYOAKIFILM
つるんとにょきっと素足 ヤッチー
葉桜の隙間に観える物を答えよ 藻川亭河童
おはようと鏡の中の父に言ふ 小市
ユニクロポロシャツ色とりどりの駅前選挙運動  ケンケン
正直な花南瓜のしょんぼり もね
明日も雨か花卯木 迂叟
いきなりの夏ふりしぼれ気力 幸
蠅の役割きっとあるうんうん 洋子
ずっと蒼い空が見えてゐた みちる
日本の星となりたかった蛍 よひら
蕾のまま終わるつもりなき薔薇 あらた
糸の目の女ヒマラヤ杉の木下闇 しんじゅ
昼にががんぼ捕まえたひと 野風
悲しみの息吐き出して目高 紗蘭
泣きたいよ蚊帳に独りの俺と蚊じゃ  台所のキフジン
ひまわりが咲いたスワヒリ語が話せた 一走人
どうしようもなく目高くさき水 緑の手
水の無き川ばかり地球が重い だなえ
横道に逸れた蟹 匠磨
たとえば枇杷をつぶす台本 大塚めろ
天井から巨大蛞蝓どすん 和音
前を隠さぬ人々の口は明るい 牛後
龍神に乞う出水にならぬほどの雨 輝女
横道を行きつ戻りつ吾は蟹座 まんぷく
子猫の横たわる道紅々となり ふーみん
犬も知る犬ギライ うに子
亀鳴くわたしは泣かない 空山
ハンカチーフは正確な永遠 なゝ
ずぐんずぐんとゴーヤが伸びる ポメロ親父
水瓶に来てはいちゃつく鳩妬けり カシオペア
なめくぢが顔を縦断して迷惑 ザッパー
べらの死体の左目に睨まれている  尾先細うそい
節約コースの二十四分空を見ていた 瑞木
香水の香にふり返る 桔梗
天気くずれる寝るのもつらい 柊つばき
じゃがいもの花生き直すガガンボ 親タカ
蚊に負けてフェラリアを病んでいる コナン
夏こそ赤パンツ穿く エノコロちゃん
突堤の夕焼けひとりじめする ひでこ
十薬に近づく 小木さん
片陰に逃げて昭和にぶつかる カラ嵩ハル




きむらけんじ
1948年生まれ。第一回尾崎放哉賞他。自由律俳句結社「層雲」同人。句集『鍵の穴』(文芸社)、『鳩を蹴る。』(プラネットジアース)、『昼寝の猫を足でつつく』(牧歌舎)。特技・妄想、泥酔。


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詰め俳句計画


出題・文 マイマイ

今月の問題
 次の(  )の中に共通する夏の季語を入れて下さい。
哲学や指に(  )日和
(  )吟遊詩人越境す


 今月は前句のリズムと「指に」がポイント。リズムについていえば、後句の上座の字余りは許容するとして、6音がベスト、次いで5音か。まずは破壊的な回答から。

哲学や指に甲子園日和
甲子園吟遊詩人越境す
 ケンケンさん。お気持ちは分かりますが甲子園はあくまで地名。私の持っている歳時記とネット検索では季語として認知されていないようです。級外。

哲学や指に海の日日和
海の日吟遊詩人越境す
 幸さん。4音はありえんな。うん、ありえん。前句「日」重なってるし、後句もリズムが断ち切られてしまっている。洋子さんは川狩、空山さんは風死す。まとめて7級。

哲学や指に梅雨晴間日和
梅雨晴間吟遊詩人越境す
 れんげ畑さん。前句、「梅雨晴間日和」という言い方に無理がある。「指に」もわからない。6級。エノコロちゃんは海開き。後句、吟遊詩人が海からやってくるようでちょっと可笑しい。やはり、前句「指に」が引っかかる。雪花さんの夏の海も同様。北伊作さんの夏きざすは「日和」が唐突か。カシオペアさん、人日子さんは卯の花月。6音でリズムはいいのだが、前句「指に」が分からない。5級。小市さんは更衣。前句、指に更衣をする感触を想像して笑ってしまった。後句が合わないか。4級。

哲学や指にソーダ水日和
ソーダ水吟遊詩人越境す
 ちろりんさん。哲学とソーダ水の取り合わせは悪くないが「指に」に違和感がある。藍人さんの薄荷水も同様。5級。又太さんの生ビール、瑞木さんの黒ビールはジョッキの取っ手に指を掛けている? KIYOAKI FILMさんのかき氷は氷の粒が指に付いた感じか。4級。

哲学や指に雲の峰日和
雲の峰吟遊詩人越境す
 輝女さん。後句は気持ちいい。前句の「指に」が引っかかる。鞠月さんの入道雲も同様。5級。七草さんは南風。前句指を湿らせて風を感じているのか。4級。迂叟さんは南風吹く。前句を「なんぷう」後句を「みなみ」と読めばリズムの問題も解消する。前句、「日和」に少し合わない感じがする。3級。

哲学や指に竹落葉日和
竹落葉吟遊詩人越境す
 カラ嵩ハルさん。てんきゅうさんは竹の葉散る。前句、やはり「指に」とどうか。5級。藻川亭河童さんは半夏生。時候の季語でもあるが、植物の方を思ったほうが前句と合う。4級。蓼蟲さん、野風さんは沙羅の花。少し重さのある花なので「指に」と合う。みちるさんの蜜柑の花は香りが、未々さんとだなえさんの茨の花は野生の荒々しさが、後句の吟遊詩人と響き合う。3級。うに子さんの矢車草は後句美しい。前句の「指に」とも合っている。元旦さんの君影草は鈴蘭のこと。前句、哲学に対してスウィート過ぎるところが惜しい。2級。あらたさんはさくらんぼ。前句、弄んでいる感じか。さくらんぼうと6音にして読みたい。1級。

哲学や指にかたつむり日和
かたつむり吟遊詩人越境す
 亜桜みかりさん。はっきり言って前句気持ち悪い。牛後さんはでんでん虫。こちらの方がリズムは良いが級を上げるほどではない。5級。翔ちゃあちゃんは流蛍。前句、指に止まった時点で流れていないのでは? 同じく5級。さちさんは青蛙。前句ちょっとかわいい? 4級。しんじゅさんの雨蛙は雨の一字が前後句ともに効いている。緑の手さんの青蛍は前句、ドラマティック。後句も夜の景で面白い。3級。笹百合さんはイトトンボ。哲学と合う気がする。後句も透きとおった体やはかなげな感じがいい。匠磨さんは蝉の殻。前後句ともに不思議な味わいがある。2級。あねごさんの揚羽蝶は色彩豊かでいい。後句漢字だらけなのも気に入っている。1級。

哲学や指に線香花火日和
線香花火吟遊詩人越境す
 魔心地さん。情景は悪くないが前句のリズムがやや悪い。5級。まんぷくさんはサングラス。後句が小粋。前句「日和」はちょっと言いすぎか。4級。山ぐるぐるさんは田草取。後句の対比が面白い。前句も労働のにおいに味わいがある。3級。親タカさんは金魚玉。前後句ともに不思議な世界にひきこまれる。藤実さんの水鉄砲は後句ユーモラス。前句は引き金に指を掛けている感じか。一走人さんは夏手袋。指で感じる哲学もあるかも。たかこさんは草笛吹く。後句、放浪のはかなげな感じと似合っている。前句指に草笛の振動を感じて面白い。「日和」で着地するともったいない気もする。2級。レモングラスさんは草刈り笛。用明天皇の伝説にちなんだ季語で感心致しました。1級。

哲学や指に尺蠖虫日和
尺蠖虫吟遊詩人越境す
 ほろよいさん。これはもうかわいいし、ユーモラス。初段。

哲学や指にカンカン帽日和
カンカン帽吟遊詩人越境す
 大阪野旅人さん、たっ君。前句、指に引っ掛けたカンカン帽の重さも感じられて好き。後句は夏野の強い陽射しを思った。二段。


今月の正解
哲学や指に天道虫日和
天道虫吟遊詩人越境す
 のり茶づけさん、ヤッチーさん、朗善千津さん、よひらさん、おせろさん、妙さん、樫の木さん、大塚めろさん、ポメロ親父さん、青柘榴さん、サキカエルさん、小木さん。だりあさんはてんとうむし。今月は問題が易しすぎました。初段。


9月号掲載分の問題(8月20日締切)
 次の(  )の中に共通する秋の季語を入れて下さい。
酒の名に京の一字や(  )
(  )つやつや月の古譚集



マイマイ
2003年11月頃よりラジオに投句を始める。割と生活派俳人。第一回大人コン「多面体」にて優秀賞受賞。句集『翼竜系統樹』マルコボ.コムオンラインショップにて販売中。将棋推定初段。棋友募集中。



【100年投句計画】投句方法
 件名を「100年投句計画」とし、投句先(複数可)・俳号(なければ本名の名前のみ)・本名・電話番号・住所を明記してお送り下さい。投句はそれぞれ二句まで、詰め俳句は季語を一つのみお送り下さい。一つのEメールまたは一枚のハガキに各コーナーの投句をまとめて送っていただいても構いません。
ただし、「選者三名による雑詠俳句計画」と「へたうま仙女」は、選択制(どちらか一方のみ投句)となります。また「雑詠俳句計画」は欄へ寄せられた二句を各選者が選ぶ形式です。各選者に個別に投句を行うのではない点にご注意下さい。

それぞれ締切は、8月20日(土)

投稿ページ http://marukobo.com/toukou/
投稿アドレス magazine@marukobo.com
はがきFAXでも投句できます。


よくある間違い
「三句投句している。」
 旧雑詠欄「くらむぼんが笑った」と混同し三句投句される方がいらっしゃいます。「くらむぼん」は終了し、現在の雑詠欄は二句投句制ですのでご了承下さい。

さらに多くの投句をしたい方へ
 松山市が運営する『俳句ポスト365』など、無制限に投句を受け付ける場もございます。ぜひご活用下さい。(俳句ポスト365のページ参照)


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Mountain Cabin Dispatch


ナサニエル・ローゼン(訳:朗善)
山梨で暮らす世界的チェリスト ナサニエル・ローゼンのHAIKUとエッセイ


No.1

no spider garden
giant spiders inside house
let's make friends,okay?

山に棲むおほきな蜘蛛を友として

(直訳)
蜘蛛の巣を愛でる庭はもうない
巨大な蜘蛛が家の中にいるんだ
やれやれ 友達になるしかないね



We live in the quiet forest.
There are people nearby,
but they are also quiet.
You may find us if you try, and that will make us happy.

 われわれは、静かな森に暮らしてる。ご近所もあるにはあるが、彼らもまた静かに暮らしてる。僕らを訪ねたければ、そうすりゃいいさ、嬉しいよ。

訳:朗善



ナサニエル・ローゼン
Nathaniel Rosen
1948年カリフォルニア生まれ。
1977年アメリカ、ヌーンバーグコンクール優勝を機に米国内デビュー。ピッツバーグ交響楽団の首席チェリストに就任。
翌年、第6回チャイコフスキー国際コンクールでアメリカ人初のチェリストとして金メダルを受賞、以降世界的名手として広く知られるところとなる。
2013年7月より松山市在住。


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JAZZ俳句ターンテーブル


文/白方雅博
(俳号/蛇頭)

第29話
「スピリチュアル・ネイチャー」 富樫雅彦

遠雷と往来の景ドラムソロ 蛇頭

 ドクターJAZZこと内田修が富樫雅彦に初めて出会った時、富樫は16歳だった。その少年ドラマーは正に天才だったが、麻薬に苦しんでいた。そして東京から逃げるように名古屋で仕事をするようになった。しかし、しだいに仕事に穴を空けるようになり、いつの間にかジャズ界から姿を消してしまった。
 修が久々に富樫と再会したのは第27話で紹介した「銀巴里セッション」の時である。修が持ち込んだテープレコーダーには社会復帰した直後、23歳になった富樫の素晴らしい演奏が記録された。

意思などなかった流星の軌跡 むうん

 再会するまでの富樫は麻薬との関係が断ち切れず鑑別所や少年院、刑務所への道を歩んでしまう。修はそんな彼の今後を憂い、銀巴里セッションの場で富樫を岡崎の自宅に連れて帰ることを決めてしまった。修は防音装置付きのスタジオを作るなど富樫の本格的復帰を支援した。富樫も修の期待に応え、よく練習し以来一度も麻薬に手を出すことはなかった。

猛烈にドラムと女熱帯夜 暇人

 東京に戻った富樫に転機が訪れる。65年、バークリー音楽院への留学から渡辺貞夫が帰国したのである。富樫は貞夫の持ち帰った理論をよく吸収した。そして日本初のフリージャズ・グループと言われる富樫雅彦カルテットを結成するなど精力的に活動し、我が国を代表するドラマーに成長する。しかし70年、富樫は不慮の事故により脊髄を損傷し下半身不随となってしまう。

風死んでパーカッションが活きている  蛇頭

 73年、富樫はピアノの佐藤允彦とのデュオで復帰する。独自のドラムセットを考案した彼は、両手のみで演奏するパーカッショニストとして活動を再開。75年には渡辺貞夫も出演するアルバム「スピリチュアル・ネイチャー」を発表。スイングジャーナル誌ジャズディスク大賞「日本ジャズ賞」を受賞する。この10人編成の大作は、全曲富樫のオリジナル曲で構成され、全ての共演者と富樫との対話が聴きものである。が、渡辺貞夫のフルートとのコラボは抜きん出て素晴らしい。

二人して晩秋なんてジャズなんて  チャンヒ

 「スピリチュアル・ネイチャー」は人気、完成度からしても富樫の絶対的代表作である。しかし、小編成ものにも彼の名作は多い。その類として僕のターンテーブルに度々乗るアルバムが「陽光」である。当時最盛期を迎えていたベーシスト、鈴木勲とのデュオが弾き出すリズムとサウンドは何とも心地よい。癒し系フリージャズってとこか。

スティックの捌きは優し水蜜桃 烏天狗



http://www.baribari789.com/

「JAZZ俳句ターンテーブル」は、筆者がナビゲーターを務めるFMラヂオバリバリ(今治78.9MHz)の番組「JAZZ BLEND」の第2週に特集します。放送は毎週水曜日の深夜23時〜24時。再放送は日曜日の25時〜26時。


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ラクゴキゴ


第29話
『たがや』
〜 この夏、ぜひ一声をっ!

あらすじ
江戸は両国、川開きの日、両国橋の上は身動きがとれないほどの見物人でごったがえす。
 花火が上がると「玉屋!!」の声がかかる。
 そこへ旗本の一行が通りかかり、前には二人の供侍、中間は槍を持っている。
 人々に「寄れ、寄れい!」と強引に渡ろうとしている。
 そこへ反対側から通りかかったのが、商売物の桶のたばをかついだ、たが屋。
 後ろへ帰ろうかとも思うが、時間もないし、何より混雑してるので戻れそうもない。
「しかたがねえ、通してもらおう、すみませんすみません。」
 もみ合うように進んでいると、後ろから押されたはずみに、かついでいた「たが」が外れ、向こうから来た侍の笠の縁をはがしてしまった。
 恥をかかされた侍はカンカンになって怒り、「たわけ者め、屋敷へまいれ!」
 たが屋は平に謝るものの、侍も後に引けず、容赦しない。
 開き直ったたが屋、「血も涙もねえ、眼も鼻も口もねえ、のっぺらぼうの丸太ん棒野郎、四六の裏め。」
 必死になってたが屋は侍の刀をうばい、次々と供を斬っていく。
 最後に旗本が馬から下りて槍をしごく。突いてきた槍の千段巻きをたが屋はぐっとつかみ、横一文字に刀をはらうと、勢い余って武士の首が宙天高ーく。
 まわりにいた見物人が、
「上がった上がったィ!
 たーがーやー!!」



 本当は川開きの日の噺ですから、もう少し前に載せるべきなのですが、花火大会ということもあり、一番盛んなこの時期に書こうと思いました。
 もともとは武士がたが屋の首を斬り、それが宙天高く上がったのを見てオチへ……という噺だったらしいのですが、やはり落語は庶民のもの、こちらの方が胸がスッキリして落ち着くのではないでしょうか。
 ちなみに二年前に亡くなった故立川談志師は、たが屋の首がとぶやり方をされてました(師匠らしいかも?)。
 噺の舞台のこのころは、花火には二大メーカーがあったといいます。それが「玉屋」と「鍵屋」。しかしなぜか人々は「たーまやー」というほうが多く、あまり「かーぎやー」はいなかったといいます。
 私もイベント等で七月八月は花火を見る機会が多いのですが、愛媛ではあまり打上げ花火にかけ声をかけている人はいません。
 どうでしょう、今年は江戸っ子の粋を真似て「たーまやー」「かーぎやー」なんて一声あげてみては。
 あなたの周りから人が去るかもしれませんが。

士農工商ごちゃまぜに大花火


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新聞記事に隠された俳句を発掘する クロヌリ俳句


黒田マキ


マレーシアコメ、麦、牛・豚サトウキビ
(愛媛新聞より)

6月の大阪・梅田の空涼し。
(2013年6月14日朝日新聞より)

夏の日の安倍晋三が評価を得。
(愛媛新聞より)


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マガジン化10年目記念?
句集を作るドキュメント


その3 キム・チャンヒ

 前回、句集に使えそうな句を510句に絞り、あとは章立てして、並び替えるだけ、というところまで進んだ。が、情けないことにこの1ヶ月、そこから全く進んでいない。とは言えこの1ヶ月全く何もしなかったというわけではなく、いろいろと試行錯誤をした揚げ句、何も進まなかったというのが実情で……と、新学期に夏休みの宿題を持ってこなかった子どもの言い訳みたいだけど、気にせず進める。
 句集のページ数は72ページと決めており、1ページに3句として、収録できる句数は大体180句。使える句をいくつかに分類し、およそ3分の1に絞っていけばいい。この仕分けが章立てになり、句集が面白く読めたりそうでなかったりするわけだ。
 まず最初に思いついたのが、一人称の句をまとめること。
 俳句を始めた頃は、見よう見まねで文語も使っていたが、2006年ごろから極力口語で作るようにした。それは、俳句の初心者から「山頭火の俳句は好きだけど、子規の句は分からない」いう声をしばしば聞いたからだ。山頭火の俳句は、一人称で口語。それを有季定型の中で再現すれば、パンチのある俳句ができるかも知れないと思い、しばらく様々なキャラクターの一人称口語俳句を作っていた。これらをまとめ、「一人」という章を仮に立ててみた。
 ならばと次の章は「二人」。一人称の句を作るのに飽きたころ、「ポップソングのほとんどがラブソングなんだから、俳句にだってラブソングが必要だ」と、恋愛の句ばかりを作っていた時期がある。それらをまとめれば、「二人」という章は出来そうだ。
 ここで、「一人」「二人」と来て、その次「三人」というわけにも行かず、行き詰まる。
 蛇頭さん主催のジャズ句会に出した句も入れたいのだけれど、「ジャズ」という章はあまりに即物的すぎる気がするし、沢山作ったパンダを詠んだ句で「パンダ」という章もなんだか……。
 根本的に考え方が間違っているようなので、初心に戻って考え直しすことにした。
 今まで公募のために、30〜50句の作品集を作ってきたけれど、それらは大きく分けて、2パターンに分かれる。一つ目が、一年間一つのテーマで俳句を作りまとめる方法。もう一つが、一年間に作った俳句の中から、良いものを選び読みやすく並び替え、最後にタイトルを付ける方法。
 今回句集全体を後者の方法で編もうとしていたが、考え方を変えて、まず全体のテーマを決めて編んだ方がスムーズな気がする。
 ならばまず、句集のタイトルを決めよう。
 最初、ロックのデビューアルバムのタイトルのように、名前だけにして句集『キム・チャンヒ』にしようと思ったが、『虚子五百句』みたいに捉えられるとちょっと違うので、やめ。ならば、自分のターニングポイントとなった俳句をモチーフに出来ないかと考え、毎年本誌1月号に掲載している「生まれてから現在までの代表句」に発表した俳句を思い出してみる。
 ハロー、コスモス、僕はギターを弾いている
 これだ。このコスモスは、俳句をしている人にとっては季語の花だが、季語として読まない場合は、宇宙や世界とも読める。個人的には、俳人のためのだけの俳句を作りたくはないという、宣言の句でもある。
 というわけで、句集のタイトルは『COSMOS』とした。やっと道筋が見えてきた。


つづく


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俳句対局普及プロジェクト 俳句対局道場


第2回「俳句対局ルールに挑戦!!」
ナビゲーター 正人


「俳句対局道場」は俳句対局という遊びを楽しむためのコーナーです。

前回のおさらい
 俳句対局は“席題句から一漢字あるいは一単語をいただき、制限時間内に俳句を作る”ゲーム。連想ゲーム的に言葉を探していくのがミソ。習うより慣れろの精神でまずは試しに作ってみよう。

前回の兼題句
食ひものの饐へるや母の痴呆症 正人
(制限時間 2分〜)

 俳句対局で高得点を得るには俳句の質も勿論ながら、作句速度も重要な要素。先月号で募集した投稿作品を一挙紹介。本番さながら時間制限に挑んだ人もちらほら。タイムが早い人からいってみよう!


水蜜桃硬しピーターパン症候群 さち
(作句時間 1分)

 兼題句の「痴呆症」から「症」の一字を取ったんですね。食べ物のイメージも重ねてきました。季語を選ぶ際に前の句の内容を参照すると若干スピードが上がるのかも? 「ピーターパン」だけに桃にかじりつく姿も想像できそう。なにはともあれ、わずか1分での作句、お見事であります。

症状をカルテに刻み込む大暑 紗蘭
(作句時間 1分31秒)

 こちらも「症」の一字での作句。季語以外の漢字一字を取るのが最もスタンダードかつ安全な手ですね。「刻み込む」の力強さがなんとも大暑らしい! 時期的に作句の瞬間が大暑だった? 身の回りにある季語を感じとって作句するのも素早さアップに一役買うかも。

症状のひとつ花火が好きになる まとむ
(作句時間 不明)※制限時間内
まとむ「一字取って作るのですね。制限時間内ならこのくらいのものでしょう……って意味わからん、この句。」

 「症」をとった句三つ目。するするっと呟くようなつくりが魅力的。「ひとつ」がひらがななのもポイントです。次手を出す相手にとっては漢字が豊富な句は嬉しいもの。この句の場合「花火」が季語だから、季語以外の単語から字を選ぼうとしたら、次の人が取れる漢字は「症・状・好」の三つしかありません。対戦相手を揺さぶる方法として漢字を極力減らすという手もあります。

うりずんや航空母艦のやうな岩  あねご
(作句時間 2分10秒)
あねご「あねごだす。2分10秒かかってしまいましたがな。どの字を使うかの選択に時間がかかりましたぞね。目標はまずは2分を切ることから始めたいと思います。」

 「母」の一字を取っての一句。「航空母艦」への発想のジャンピングに驚き!! 上五「や」切れからの取り合わせというスタンダードな型で作ってきました。咄嗟の時でも安定した作句が狙える好手です。最後に岩がずっしりと出てくる語順もグッド。

合歓の花揺れピーターパン症候群  瑞木
(作句時間 2分53秒)
瑞木「お題の句の強烈な個性に動揺して、時間がかかりました。」

 再び「症」の字。ていうか「ピーターパン症候群」二句目。長い単語を一つ入れると他の部分を考える量が減って楽になる……かも? なんたって12音もありますからね。残り5音で何ができるかと考えるとかえって難しい? 「合歓の花」の眠たげに揺れる様が「ピーターパン」との接点でしょうか。

胸元も大胆に母熱帯夜 青柘榴
(作句時間 4分15秒)

 「母」の字二句目。ビミョーにオイロケ? いやいや母だし熱帯夜だしだらしないだけなのヨ。「航空母艦」みたいに違う単語にワープする手もあれば「母」そのままの意味で使う手もあります。

みつ豆や呆けた顔を隠し持つ 実峰
(作句時間 5分)
症状は妊娠に似て竹婦人 実峰
(作句時間 1分)
木下闇角を曲がれば鬼子母神 実峰
(作句時間 1分)
実峰「瑞木さんよりメールいただきましたので、がんばってみました。」

 三度挑戦の実峰さん。察するに一句目から順に一、二、三回目? 「呆・症・母」それぞれで一句。【慣れると早くなる】の好例ですな。次回の公式戦の出場期待してます。

 お次は時間制限に挑戦しなかった人たちの作品。ジャンルごとにわけてご紹介。

写真立ての母に涼しき項かな 牛後
虹渡る小さく小さくなりし祖母 魔心地

 「母」の一字を限りなくそのままの意味で使った二句。記憶の中にある母・祖母の姿が描かれるような仕上がりです。このタイプは季語が人物の姿を語ってますね。

母国欲し帽子に移す蟻地獄 大塚めろ
しづの女忌無駄に母乳のほとばしる  更紗

 「母」の字を含んだ単語で作った二句。単語の作り方次第で「母」との距離は遠くも近くもなります。割と変幻自在なタイプ。

これはもう水母を抱きて帰る道  大塚めろ

 「母」の字を季語「水母」の一部に含ませました。読み方が全然変わる季語にするあたり玄人ですね。
 ちなみに、この句を受けて作句する人が「はは」の音が入ってないばかりに「母の一字をとって“母の日”にしよう」とかやっちゃうとルール4(前の句の季語、および季語の一部を季語として頂くのは、不可。)に抵触してペナルティなわけです。

一睡の夢呆けたる梅雨の雲 天玲
アイスの棒片手に呆けてゐる真昼 阿昼

 「呆」二句。「ほうけ」と「ぼけ」、違う読みで作ってきました。読みによって音数が調節できる字は便利ですね。どちらも空に視点がいく点が共通してるのが可笑しい。

蜘蛛の囲は華食の時を迎へあり  大塚めろ

 今回唯一の「食」の一字取り。場合によっては季語の一部?とも考え得る部分だったので近づいた人が少なかった模様。季語に近い単語を取ると危ない橋を渡ることになりがちな俳句対局において果敢に距離を詰めた姿勢に拍手!!


次回予告「俳句対局失敗集」
 俳句対局ルールから外れてしまった句を例を出しながら解説します。うっかりミス集を事前に読んで本番に備えよう! 新しく整備された減点ルールなども初公開。



第二回
俳句対局龍淵王決定戦
開催決定

 昨秋開催の第一回に続き、第二回龍淵王決定戦を開催致します。詳細は順次公開して参ります。

日時 10月27日(日)午後〜(予定)
場所 松山市二之丸史跡庭園内観恒亭
 *出場が決まった方は、当日スーツや着物にてお越し下さい。観覧のみの方は、服装の指定はありません。
問い合わせ先 『100年俳句計画』編集室



※俳句対局作句ルール
1:使用する季語はいつの季語でも構わない。(傍題可)
2:前の句から頂くのは、漢字、または、自立語。
3:前の句の表記のまま頂く。表記を変えてはいけない。(カタカナ表記の場合は、カタカナで)
4:前の句の季語、および季語の一部を季語として頂くのは、不可。



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百年歳時記


第3回 夏井いつき

 有名俳人の一句を紹介鑑賞するページは世に数々あれど、「市井の逸品」とも呼べる一句を取り上げ鑑賞する記事はそんなに多くありません。
 百年先に残したい佳句秀句奇々怪々句を見いだし、皆さんと共に味わおうという連載は、名づけて「百年歳時記」。夏井いつきの目に触れた様々な作品を毎月ご紹介していきます。

合歓咲くや皇后様にある愁眉 てんきゅう
 上五「合歓咲くや」に対して「皇后様」とくれば、昭和世代の人間は美智子皇后作詞『ねむの木の子守歌』を思い浮かべるでしょう。が、敢えてそこには触れず、「皇后様」の眉間に刻まれた憂いを「愁眉」と表現。作者のこの判断が実に見事です。
 民間人初の皇太子妃として過ごした年月。二人の息子に妃を迎え、一人の娘を民間へと送り出した母としての年月。皇后として歩み出された年月。上五「合歓咲くや」は、癒やしの子守歌として「皇后様」ご自身を慰め、桃色の花の濃淡は美しい感情の襞となって読者の心を捉えます。「皇后様」の「愁眉」が開かれる日が訪れることを願う国民の一人として、深く心に刻みたい作品でした。
(松山市公式サイト『俳句ポスト365』6月19日掲載分)

予後の眼に夏野の匂ひ飽くるまで 妙
 「予後」とは、病気治癒後の経過。この一語で作者の置かれた状況を語り「眼に」で眼病を推測させる、このあたりのテクニックも実に巧いのですが、この句の真の魅力は、「予後の眼」でもって「夏野の匂ひ」を感知する肉体的感受性の豊かさにあります。
 作者の「眼」に飛び込むのは、爆発的な「夏野」。その緑は「予後の眼」を満たし、草いきれは圧倒的勢いで「予後の眼」に押し寄せます。「匂ひ」を眼球で感知する感覚は、眼病の術後という状況におけるリアリティーとして、読み手の心に鮮やかに飛び込み、下五「飽くるまで」という余韻が、「夏野の匂い」にいつまでも浸っていたい作者の静かな喜びを、やわらかく受け止めます。
(松山市公式サイト『俳句ポスト365』6月26日掲載分)

デコトラに七つのミラー夏の空 ハラミータ
 この「デコトラ」は、電飾ギラギラ、装飾過多、音楽大音量垂れ流し的なそれではなく、ちゃんと日々の仕事に使われているトラックだと思います。磨き上げられた車体、角度と大きさにこだわりが見える「七つのミラー」。ミラーを一つずつ磨き上げるたびに「夏の空」はますます広がり、トラック野郎の心も晴れ晴れと躍ります。
 誇らしげに光る「七つのミラー」の角度を再度確認し、「デコトラ」は走り出します。車体全体が太陽を弾き、「七つのミラー」一つ一つに「夏の空」が映り込み、ヴォン! と鳴らしたクラクションは空へと響きわたります。青くて大きくて広くてエネルギーに満ちた季語「夏の空」を、実にストレートに表現した爽快な一句です。
(松山市公式サイト『俳句ポスト365』6月12日掲載分)

パリ祭や赤き川なる溶鉱炉 マイマイ
パリ祭や欠損したる鳩の趾(あし) あねご
 「パリ」という華やかな都市名を冠したこの季語、一見ロマンチックにして美しい祝祭日を思いがちですが、「パリ祭」とは革命記念日。絶対王制や身分制度に立ち向かったフランス国民が、自ら流した血と引き替えにむしり取った市民革命なのです。
 両句「パリ祭や」と掲げての取り合わせ。「赤き川」は一瞬血を思わせますが、下五「溶鉱炉」の比喩だと分かったとたん、沸々と溶ける鉄の赤は革命を象徴する色として滾り始めます。かたや「欠損したる」ものが「鳩の趾」だと分かったとたんの生々しい衝撃。平和の象徴である「鳩」の欠けた「趾」に、フランス革命という凄惨な産みの歴史が重なります。季語「パリ祭」に肉薄した佳句二句。
(ラジオ番組『夏井いつきの一句一遊』7月12日放送分)

卒論はモネ睡蓮は光の中 リサ@バニラビーンズ
 「卒論はモネ」から作者の年齢や状況がありありと読み取れるこの手法、鮮やかですね。「モネ」と「睡蓮」はベタ付きの素材ですが、「卒論はモネ」という情報と、眼前の「睡蓮は光の中」という映像に分けて叙述することで、うまくバランスを取りました。
 「卒論」に取り組む日々は「モネ」という画家を愛し直す日々。彼が描いた「睡蓮」は、今作者の目の前の「光の中」にその花を傾けます。豊かな学究の日々を咲き継ぐひかりの「睡蓮」です。
 ラジオ番組の仕事として俳句と出会ったバニラビーンズの二人。相方のレナも「梅雨空や降り出す前の偏頭痛」と詠める実力を身につけてきました。句歴半年の実りを嬉しく受け止めた二句です。
(ラジオ番組『バニラビーンズの俳句っちゃお』6月23日放送分)


*百年歳時記は、南海放送ラジオ『夏井いつきの一句一遊』や
 松山市公式サイト『俳句ポスト365』(http://haikutown.jp/post/
 などに投句された俳句を紹介します。


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句集の本棚





『カチカチ山』鈴木鷹夫 著

  初夢はカチカチ山で草臥れし
 「漢詩などより高尚な言葉を引用して題名とする、というようなことも考えましたが、先師石田波郷の『俳句は庶民日常の文学』が聞こえて参りますのでそれは避けることにしました」(あとがきより)
 石田波郷より韻文精神を学び、能村登四郎から発想の新しさを示唆された著者の句は四季の日常を捉え、難解でも高尚でもなく、すっと読者の心に入ってくる。
  踏むまいぞこれは朝寝の妻の足
  息を静かに平均台の黒揚羽
  裏側はさみしい貌か焼秋刀魚
  ふりかへる蟷螂なんだ老人か
  この遺影隣に俺のゐた冬だ
 「伝統と革新」の道を著者は歩み続ける。ニ師の恩に感謝を捧げながら。石田波郷、能村登四郎に師事。俳誌「門」主催。
(書評:匠磨)

角川書店(2012年初版)
定価 2667円(税別)
全208ページ



『松山ミクロン』滝本結女 著

 文庫サイズのコンパクトな句集。
 きらきらと新鮮な言葉、柔らかい感性が全体を包む。
  春の炉に少女漫画を焼べてをり
 少女漫画を燃やしているのは誰であろうか。仄かな加虐性がやや耽美に描かれ、この景そのものが少女漫画のよう。
  金色の水を吸ひたしヒヤシンス
  雛壇といふ断崖の祭りかな
  風着ると言ひし女の簡単服
  近くより遠くが近し盆の雨
  この星も流れてしまふかもしれぬ
  首都の空初木枯らしに明け渡す
  たちまちに雪の器となりしかな
 ふとした呟きのような感覚も句として輝き、愛おしく感じられる。帯・序文を河内静魚。「KIMA句会」「毬」会員。愛媛県新居浜生まれ、埼玉県在住。
(書評:藤実)

文學の森(2013年初版)
定価 952円(税別)
全130ページ



『万華鏡』桐山陶子 著

  まへがきもあとがきもなし曼珠沙華
 俳人黛まどかのこの句に出会い、俳句を読み続けている作者の全二一二句の句集。
 万華鏡 Spring
  きみが手を泳がせてゐる春の水
  万華鏡覗いて四条河原町
 薔薇 Summer
  アペリティフひとりの卓に薔薇寄せて
  卯の花腐しトルソーの影ひとつ
 不思議 Autumn
  終戦日渚へおろす土不踏
  空澄みわたりあなたのゐない不思議
 夢 Winter
  筆初めなる横書きの句帳かな
  毛糸編む夢の続きを追ひながら
 「美しい物をより美しく詠みたい」その思いは、日常を透き通らせ美しき旋律となって読み手に迫りくる。
(書評:恋衣)

本阿弥書店(2013年初版)
定価 1300円(税別)
全128ページ



このコーナーで紹介した句集は、100年俳句計画編集室にて閲覧できます。


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俳句の街 まつやま
俳句ポスト365


協力 松山市

「俳句ポスト365」は松山市が運営する俳句の投稿サイトです。
毎週新しい兼題が発表されます!

http://haikutown.jp/post/


優秀句
平成25年6月度


【鵜飼】

《地》
小屋の鵜の調子見極め鵜を選ぶ  ポメロ親父
記紀の火を川面に散らし鵜飼舟 すな恵
今宵五隻連れて鵜舟の下りけり 八十八
だんだんに追いついてくる鵜飼舟 笑松
鵜篝の火の粉へ火の粉総がらみ みちる
鵜飼火や顔のやうなる岩ひとつ 海音
性悪の一羽紛れる鵜の篝 初蒸気
橋くぐり闇から闇へ鵜飼の灯  松本だりあ
鵜飼する今夜は川の死ぬ気配 とぼん
篝火を消して鵜舟の岸に着く 木よし

《天》
篝火のじき唸りだす鵜飼かな  登美子


【冷し瓜】

《地》
瓜冷す水飲む馬の鼻っ先 奈津
河童来たらし瀬に冷し瓜また回る  ふづき
復員を待てる厨よ冷し瓜 すな恵
原爆の死没者名簿瓜冷す てんきゅう
よく熟れてゐる真桑瓜よく冷やす  ポメロ親父
瓜を冷やせ埃及より友来る くろやぎ
砂漠行くキャラバンを待つ冷し瓜  はまゆう
冷し瓜浮かぬひとつが恐ろしい 初蒸気
あめんぼの前足掛けて冷し瓜 とんぼ
冷し瓜三個浮かびて誰もゐず じろ
ばあちゃんの垂れるおっぱい冷し瓜  森田欣也
冷やし瓜信じられるは夫と吾 登美子
ふるさとの主峰の真下冷し瓜 金子加行

《天》
城の井の四十メートル瓜冷やす  輝女


【鯵】

《地》
鯵割くや米酢の瓶のうすあかり  神楽坂リンダ
酢に鯵をひたしてラジオ講座かな  ふづき
海薫る鯵の醤油を弾く夜 一心堂
長靴がトロ箱の鯵蹴り渡す 理酔
魚熊に呼び止められて鰺を買う  らっこマミー
鯵フライ六十点の妻めざす 逸子
売れ残る鯵は馴染みの猫に放る  しんじゅ
壇蜜の朝餉も鯵の開きかな 森田欣也
鯵たたくずっと頭痛のズッキーニ  カリメロ
フンボルトペンギンまで空飛ぶ鯵  てんきゅう

《天》
夕鯵や子どものことや銭のこと  やにほ


【夏木立】

《地》
調教の馬の昂り夏木立 そうめい
幻聴の嘶き楠の夏木立 登美子
夏木立風の手綱はよくしなふ すな恵
夏木立熊よけの鈴腰に鳴る 松本だりあ
棄て城の堀の底より夏木立 初蒸気
地下にある水の王国夏木立 たかこ
我が子にはみどりと付けむ夏木立  ぱむだ
御神体遷御す夏木立を抜けて ふづき
夏木立獰猛に夜交信す  こま@夏の夜の植物は怖い
わたくしは不幸なこども夏木立 大五郎

《天》
学校は城址夏木立迫る  じろ


8月の兼題と投句期間

8月1日〜8月7日
桐一葉【初秋/植物】
桐の葉が一枚、風に誘われるように舞い落ちることで、秋の訪れを知る。古く中国の詩文に詠まれて以来の伝統的な情趣。

8月8日〜8月14日
鯊釣【三秋/人事】
秋になると、津々浦々で鯊が釣れる。簡単な仕掛けで誰でも釣ることが出来るので、身近な秋の行楽となっている。

8月15日〜8月21日
飛蝗【三秋/動物】
バッタ科に属する昆虫の総称。身体は細長く、後ろ肢は長く発達していてよく跳ぶ。稲などの植物を食い荒らすので、農作業上は害虫とされる。

8月22日〜8月28日
椎茸【三秋/植物】
キシメジ科のきのこ。椎や樫、ブナ科の倒木、枯れ木に発生する。傘は5〜12cmで焦げ茶色。ひだは白い。日本を代表する食用きのこである。

《参考文献》『カラー版 新日本大歳時記』(講談社)



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一句一遊情報局


有谷まほろ & 一句一遊聞き書き隊
協力 南海放送


金曜日優秀句
平成25年6月度


【尺蠖】
尺蠖が軍手の小指測定中 だんご虫
干した地下足袋尺蠖虫行進 ぽぽんた
下刈りの肩に尺蠖連れ帰る 妙
尺蠖を許す地蔵の垂れ目かな  まっことマンデー
尺蠖のおよそ尺貫法なるべし マイマイ
僕が行きます尺蠖すくっと立つ 日暮屋
尺蠖や気真面目なのにずれている  のり茶づけ
神木の注連縄尺蠖の宝庫 一走人
尺蠖の再び進む放浪記 さち
尺蠖の腹筋月を押し上げる  ドクトルバンブー
尺蠖の腹の薄桃光溜め ターナー島

《天》
尺蠖の擬態かすかな風がいい  きうい


【冷汁】
船上の風をあしらい冷し汁 太郎
二貫目の氷の上の冷し汁 蕃
冷汁食らいてまぶしき田の仕事 鍛冶屋
冷汁を食らう鍛冶屋は火の香り 流星
冷し汁明日は一日長かろう  三河のぽんぽこ
かっ込んだ冷汁とばし昼からの段取り言う  日暮屋
山寺に残る深井戸冷し汁 もも
白々と火照る裏山冷し汁 菜々枝
冷汁をお出しするには遠い仲 ちいち
乞食(こつじき)の僧へ微風や冷し汁 緑の手
冷汁や江戸より訪ね来るも留守  桜井教人

《天》
冷汁や家風にやっと慣れました  野地菊


【繍線菊】
繍線菊や雨を讃える山一座 そも
繍線菊のもこもこ雲になる明日  松ぼっくり
繍線菊の花の視線は交わらず 笑松
繍線菊の雄蕊は月と共振す さち
繍線菊の星降るような空である  なでしこ
繍線菊の霞のように夫恋し 笹百合
生きるにも死ぬにも佳き日の繍線菊  海田
繍線菊や出島ここより先は海 うらら
繍線菊や風抜けてゆく猫の墓 樫の木

《天》
繍線菊の震える雨となるでしょう  マイマイ


【夜振】
親方がまず火を点す夜振かな 朝日
我先に火種吹きあう夜振かな  亜桜みかり
夜振火の今宵は風の怯えたる  風花会・山百合
夜振火の仕掛けの淵をあぶり出す 野風
夜振果てどっと川幅取り戻す  ドクトルバンブー
蠍座へ櫓の音届く夜振の火  風花会・さくら
てらてらと姥捨て母捨て夜振の火  冬井いつき
澱みに船休む激しき夜振だったか  日暮屋
夜振人戻り来て土間濡らしけり そも

《天》
落人を狩る火のごとく夜振かな  太郎


※ 掲載の俳句は、有志によって朧庵(http://575sns.aritani-mahoro.com/)の掲示板「落書き俳句ノート」に書き込まれたラジオの聞き書きをもとに活字化したものです。俳句ならびに俳号が実際の表記とは異なっていたり、同音異義語や類音語などで表記されてしまっている場合がありますのでご了承ください。



※ 「落書き俳句ノート」を除く、朧庵(SNS)の利用、閲覧には登録が必要です。パソコン用のメールアドレスがあれば、無料で簡単に登録できます。


夏井いつきの一句一遊
南海放送ラジオ(愛媛県 AM1116kHz)
毎週月〜金曜 午前10時放送
週替わりの季語を兼題に、要努力の月曜日から優秀句の金曜日へと、紹介される俳句のレベルが上がっていきます。最優秀句「天」を目指せ!

投句の宛先は
〒790-8510 南海放送ラジオ 「夏井いつきの一句一遊」係
Eメール ku@rnb.co.jp

こちらからも番組へ投句できます!
http://www.marukobo.com/media/


投句募集中の兼題

8月4日
釜蓋朔日【初秋/人事】
旧暦7月1日。旧暦7月は盆の月であり、この日に地獄の釜の蓋が開き、亡者が各家に向かって旅立つとされる。

俳句甲子園【初秋/人事】
高校生が同校5人一組のチームで、俳句の作句力と鑑賞力を競い合う大会。8月に愛媛県松山市で全国大会が開催される。


8月18日
松虫【初秋/動物】
コオロギ科の昆虫。淡褐色で、草むらにすみ、チンチロリンと鳴く。

竹の春【仲秋/植物】
竹は春季に地下茎より筍を生長させる一方で、親竹は生気を失い、「竹の秋」(春季)や「竹落葉」(夏季)の状態となるが、秋季に再び青々と生気を取り戻すことを「竹の春」と呼ぶ。


《参考文献》『カラー版 新日本大歳時記』(講談社)



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100年俳句計画 掲示板


 組長&編集長&組員さんの出演執筆一覧

テレビ/ラジオ
NHK総合テレビ(四国四県)
しこく8「バトル!五七五〜学生俳句チャンピオン決定戦〜」
  8月2日(金)19時30分〜
  出演:夏井いつき、アンガールズ、学生約40名

NHK総合テレビ(愛媛ローカル)
 「えひめ おひるのたまご」内
 『みんなで挑戦!MOVIE俳句』
  8月27日(火)11時40分〜

南海放送
ラジオ「夏井いつきの一句一遊」
 毎週月〜金曜日 10時〜10時10分
※ 投句募集中の兼題や投句宛先は、「一句一遊情報局」のページをご参照下さい。

FM愛媛
 バニラビーンズの俳句っちゃお〜!
 毎週日曜日深夜0時〜0時30分
※夏井いつきが俳句指南で出演
※FM大分でも毎週月曜21時〜放送中

FMラジオバリバリ俳句チャンネル
放送時間 … 月曜 17時15分〜17時30分
再放送 … 火曜 7時15分〜8時
 兼題「朝凪・蚯蚓鳴く」8月4日〆
   「枝豆・鬼灯」8月18日〆
  mail fmbari@dokidoki.ne.jp
  FAX 0898-33-0789
※必ずお名前(本名)・住所をお忘れなく!
※各兼題の「天」句にはキム・チャンヒのイラストポストカードが贈られます。


執筆
松山市の俳句サイト「俳句ポスト365」
http://haikutown.jp/post/
 毎週水曜締切/翌週金曜結果発表

テレビ大阪俳句クラブ選句
http://www.tv-osaka.co.jp/haiku_club/

ジュニア愛媛新聞スマイル!ピント
 「集まれ俳句キッズ」
※ 毎週日曜発刊タブロイド判8ページ

愛媛新聞(キム チャンヒ)
 「ヘンデス俳談」毎月第一土曜日 兼題「台風」締切 … 8月27日(火)


イベント

NHKそれいけ!俳句キッズ句会ライブショー
 8月3日(土)13時〜 松山市立子規記念額物館講堂
 出演:夏井いつき
 ゲスト:金子貴俊(俳優)、テツandトモ、チキチキジョニー、オジンオズボーン、愛媛県の地方予選を勝ち抜いた小学生30名
 ★観覧には整理券が必要です。
 お申し込み:NHKプラネット四国 089-921-1163

伊予銀行プレゼンツ思いのままに575 〜 ミュージカルを観劇して俳句を作ろう〜
 8月11日(日)12時開場〜 東温市坊っちゃん劇場

第16回俳句甲子園
 8月24日(土)〜25日(日)

リハビリテーションセンター学会全国大会句会ライブ
 8月31日(土)

宇田喜代子・黒田杏子の道後俳句塾
 9月7日(土)・8日(日) 松山市立子規記念博物館
 俳句指導・吟行会・懇親会と盛りだくさんの二日間!
 お問い合わせ・申込  089ー931ー5566



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魚のアブク


読者から寄せられたお便りをご紹介
お便りお待ちしています!
100年俳句計画編集室「魚のアブク」宛、もしくは互選や雑詠欄への投句に添えてお寄せください。

編=編集スタッフ

リニューアルに寄せて@三ヶ月目
エノコロちゃん 新装開店(!?)の6月号とってもたのしみにしてましたぁ〜。そして、本当に、楽しい投句のコーナー「100年投句計画」の各コーナーたのしめました。まだ第一回目なので少しとまどったりもしながら、でもたのしかったです。選者の方々それぞれの選評もよかったです。これからますます参加もし、たのしみたいと思います。
編 エノコロちゃんはおハガキで投句されているのでリニューアル一回目に寄せての感想。いろんな投稿してみてくださいね〜。

大塚めろ こんんちは。今月もお世話様になります。一遍には劇的な変化は出来ないと思いますが「徐々に劇的変化」というのも変な日本語なので劇的変化的変化を繰り返して、劇的変化なマガジンに邁進してください。期待しています!!
編 激励ありがとうございます! 入力ミスなんでしょうけど挨拶が「こんつは」みたいで江戸の小粋。

元旦 最近スランプの元旦です。スランプなどと言うと、絶好調のときがあったのかとツッ込まれそうですが。それはさておき、7月号、手元に届きました。で、29ページを開いて「ショック」。投句したときから、もしかしてと思っていたことが的中。そうでうよね「西城秀樹」ですよね。誰が西条じゃ。西条は凡児じゃろ。PC横に置いてある「HIDEKI 70'S]のアルバムジャケットから、ナイフをかざした秀樹が、こっちを睨んでいます。トホホ……秀樹さん大変失礼しました。でも、これってやっぱり投句した内容の確認ができないからでは……って、自分の間違いを人のせいにするのでありました。編集長ごめんなさい。
編 調べてみると、「秀樹」の投句をされたのが5月20日。5月27日頃にシステムを改修して内容確認メールが送られるようになりました。一週間ほど間に合わず申し訳ないです……。

目指せ自由律の星
うに子 自由って自由じゃないことがわかりました。自由律の極意教えてください。
洋子 自由律俳句生まれて64年、初めての試みでした♪ わくわく楽しいです♪ ホンマ楽しいひとときをありがとうございます♪
編 意外と(きむらけんじさん談)人気な自由律俳句計画。「自由だけど自由じゃない」ってちょっとした真理みたいでいいフレーズ。

広がる詰め俳句
蓼蟲 詰め俳句、難問でした。さて正解は「……日和」なのでしょう。マイマイさん出題も講評も大変ですね。でも楽しいページです、これからも挑戦します。
カシオペア マイマイさんへ。難しゅうございました。歳時記を見る時間がとても増えました。楽しい事です。感謝。
編 投稿が増えて誌面拡大中の詰め俳句。今回は「正解」の初段を超える二段が登場。本人の句よりもいいってことかい? アッパレ!

連載を振り返る
牛後 「百年百花」の4ヶ月はとても楽しく俳句を作ることができました。もう終わりなんて寂しいです。
編 それぞれの作家が実力を振り絞る「百年百花」。終った後は充実と少しの寂しさがあるのですね。

俳句対局道場への投句に寄せて
魔心地 ひとまず「俳句対局道場」に投句します。実際の対局だと、パニックになりそうですね〜。
編 38・39ページで紹介し切れなかったお便りを紹介。ピンチの時こそ平常心! 作り慣れてくると胆も据わってくるとかなんとか。

大塚めろ こんにちは。大塚めろです。日に日に瞬発力が無くなっています。俳句ばかりしていたら、俳句が出来なくなりました。ついでに作っていた頃の俳句のなんとみずみずしいこと!! 原点は案外あんな所にあるのかも……。
編 そういいながら結構玄人な仕掛けの三句を投じていためろさん。次号では句をお借りしてケーススタディやりまひょ。

思わぬ遭遇
たま 不思議な出会いがありました。先日テレビの修理に来てくれた方がなんとなんとあの「みいみ」一家のパパでした。俳句で家族が結ばれ又切磋琢磨して……微笑ましいお話をうかがいました。最後は「一句一遊は俳句に関心ない人も面白い」と共感。みいみ一家さん若い感性で益々種蒔きして下さい。
編 南海放送ラジオ「一句一遊」に届けるはずだったおたよりがなぜかマルコボ.コムに届いたようなのでせっかくだから紹介。そうです、みいみ一家のパパさんは電器屋さんなのです。うちもお世話になりました。(正人・筆)

泥んこになろう!
一走人 どろんこバレー初参加。組長不在でしたが頑張りました。楽しかったです。
編 今年は猪肉の焼肉もあったらしいですね(本筋と関係ない情報)。来年は俳句甲子園地方大会と重なってないといいなあ。

はじめての投稿
杉本とらを 初めての投稿です。宜しくお願いします。
油番 はじめましての投句です。よろしくお願いします。
尾先細うそい 初めての投句です、よろしくお願いします。
編 初投稿の方がお三方。文言が限りなく似てるけど微妙に違いますね。間違い探しみたいでなんだか愉快。

それぞれの生活
ケンケン 電気代値上がりの影響で、どこへ行っても「節電」で弱冷房で暑いですね〜みなさん、夏バテしないようにみんなで乗り切りましょう!
編 クーラーに当たりすぎてる方が夏バテしやすいんじゃなかった? 程ほどに頑張りませう。

紗蘭 夏だー! 海だー! 山だー! 俳句だー!
編 現在夏休みタイムまっさかり! チャレンジ俳句甲子園ほか、小中学生向けの夏の俳句イベントが定着しつつあるのが嬉しい。

輝女 あっと言う間に一年の半分が過ぎてしまっていままでなにをしたのか……と少々反省? 今年はホントに変な気候が続いておりますので皆さん体調くずされません様に!
編 冷夏になるかと思いきやがっちり暑い夏になってしまいました。風邪は万病の元! 気をつけて過ごしてまいりましょー。


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鮎の友釣り

182

俳号 てっぺい

俳号の由来 キャンプ友達にてっぺいと呼ばれていたので。

今後の俳句 人生も俳句もふらふらしていますが駄洒落とAKBの俳句の方向へ。

青蛙さんへ 期間限定俳号のゆきりんはAKB48のパロディで「AKP55チームPゆきりん」を省略。A「頭の」 K「毛」 P「パラパラ」の 55「55才」 ゆきりん「本名がゆき○○」で55才の一年間だけの使用。

写真 23年前の屈斜路湖にて。まだまだ髪の毛が多かった頃。

次回…西条の針屋さんへ


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告知


殿様ケンちゃんとじいが答える俳句質問箱質問募集!

 今更聞けない俳句の初歩のあんなことこんなこと。先生には絶対に聞けない恥ずかしい質問にも、ケンちゃんとじいなら、張り切って答えてくれるはず。逆に、ケンちゃん&じいを悩ませる高度な質問もOK。汗振り絞って答えてくれます。ただいま質問爆裂募集中!

締切 8月11日(日)必着
メール・ハガキでお送り下さい。メールの場合、件名を「俳句質問箱」とお書き下さい
送り先  magazine@marukobo.com




マルコボ.コムオンラインショップマガジン化10年目突入記念企画
HAIKU LIFE 100年俳句計画
企画別ワンコインバックナンバー集発売中

本誌は2013年6月号で、マガジン化してから10年目に突入しました!
マルコボ.コムオンラインショップでは10年目突入記念として、テーマ別のバックナンバーのお得なセット販売を行っています。

編集室のオススメセットは……?

26:俳句米プロジェクト田んぼに行こう!
 100年俳句計画の名のもと、なんでもかんでも俳句のタネにする、いや逆に、俳句があれば数倍楽しくなる、そんなスタンスで数々のイベントが行われてきた。そんなイベント系企画から「俺たちの俳句米プロジェクト」をご紹介。
 歳時記を開けてみれば、農業、とくに稲作の現場の季語の多いこと多いこと。かつて人々が、田んぼに左右されながら日々の暮らしを営んできたことがよくわかる。ならば体験せねばなるまいと、畑も田んぼも持ってない現代人の我々が、田起こしから収穫までを実体験した1年間のどたばた記録。果たして無事に収穫できたのか? 俳句はできたのか?
 スピンオフ企画「人間案山子コンテスト」は、台風のさなか、きとうじん、ともぞう、めろ、編集長の4名が案山子コスプレに挑戦。シュールかつスパイシーな記録。
2011年企画。(三瀬)

収録内容
2011年6月号:そもそも「俳句米プロジェクト」とは?
2011年7月号:季語のおじさん特別編・生き物を探しに田んぼに行こう!
2011年8月号:俳句米プロジェクト 田植え体験!
2011年11月号:俺たちの俳句米プロジェクト・ラストミッション完了 〜稲刈り編〜


11:カルチャー教室的セット
 俳人が、俳句にまさるとも劣らない人気のカルチャー「絵手紙」や「書道」など、その道のプロに教わりに行ってみたらどうなるか!? 隣の畑をちょいとのぞいてみました的スタンスの体験記。
 17音という俳句の短さは、他の芸術との相性がいいこと。そして俳句と何かを組み合わせることが「取り合わせ」の考え方そのものだということにも気づかされる。さらに、連句や英語俳句など、違う脳みそを使った作句体験なども。作句や発想につまずいているあなた、違うカルチャーからのアプローチがヒントになるかも?(三瀬)

収録内容
2005年11月号:俳人のための絵手紙入門 写生のヒミツに迫る?!
2006年8月号:俳人のための書道入門
2007年4月号:いつき組的 英語haiku入門
2007年6月号:いつき組的 連句体験
2007年7月号:季語と写真を取り合わそう! 俳句マガジンいつき組版 俳SHOT


全27セット 各500円
但し、合計金額が3000円未満の場合は送料別途
お求めはhttp://shop.marukobo.com/まで




佳い句集を
もっと買いやすく

句集Style作品第二弾の発表に併せ、本誌年間購読者を対象としたお得なプラン「句集Style倶楽部」シーズン2を受付開始します。
従前の「句集Style倶楽部」で不便だった点を改善し、より手軽になりました。

 ポイント1:オンラインショップ販売よりも早くお手元に届きます。
 ポイント2:一種類から注文可能。欲しい句集だけのお求めも可能に。
 ポイント3:支払い方法の拡充。郵便振替以外の方法も利用可能になります。

全種購入でのお得な価格割引制度はそのままに上記ニーズにお応えしました。
マガジンに同封しての発送のためいずれも送料無料。詳細は本誌発送時に同封の年刊購読者向け資料(下記)をご覧下さい。たくさんのお申し込みお待ちしています。

9月号(9/1発行)同封分
・句集シングル『龍尾』夏井いつき
・「週活句会」メンバーによる合同句集『WHAT』vol.1
・句集『台風圏』大隈みちる

10月号(10/1発行)同封分
・句集『二等辺三角形』都築まとむ
・句集『COSMOS』キム・チャンヒ

定価735円(税込・送料別)
*句集『COSMOS』のみ1,470円(税込・送料別)

全種同時注文で通常4,410円が3,780円になります


句集Style倶楽部申込方法

「句集Style倶楽部」は『HAIKU LIFE MAGAZINE 100年俳句計画』をマルコボ.コムより直接定期購読されている方のためのお得なサービス! 送料無料で、マガジンに同封してお届けします。購読期間が192号以上先までの方もしくは口座自動払いの方はそのまま、192号未満の方は定期購読契約を更新していただくことで申し込みが可能です。
(購読期間はマガジン発送時の宛名ラベルに記載されています。)
※テキスト版注釈…テキストファイルでご覧の方はmagazine@marukobo.comまで件名を「購読期間問合せ(お名前)」としてお問合せ下さい。

「句集Style倶楽部」でのご購入は、お一人様につき各句集それぞれ1冊までとさせていただきます。
同一商品を複数購入されたい場合は、別途お買い求めください。

申込締切:8月5日(月)

・全5冊すべて購入する場合
以下のいずれかのお支払方法を選んでいただけます。
 1:ゆうちょ振替(同封の振替用紙を使用)
 2:マルコボ. コムのオンラインショップ(http://shop.marukobo.com/
※オンラインショップでは、ゆうちょ振替のほか、銀行振込やクレジットカードをご利用いただけます。

全種セット:セット特価 \3,780(税込)


・個別に選んで購入する場合
お支払い方法はゆうちょ振替(同封の振替用紙を使用)のみです。
ご希望の句集を選択の上、購入合計額を計算してお支払ください。

A:句集シングル『龍尾』 夏井いつき \735(税込)
B:「週活句会」メンバーによる合同句集『WHAT』 \735(税込)
C:句集『台風圏』 大隈みちる \735(税込)
D:句集『二等辺三角形』 都築まとむ \735(税込)
E:句集『COSMOS』 キム・チャンヒ \1,470(税込)

※テキスト版注釈
本誌マガジン『100年俳句計画』と同様、句集Style作品もテキスト化配信を行っております。ご注文の際にテキスト化データをご希望の方はhttp://shop.marukobo.com/までお知らせ下さい。

振込用紙の記入方法
 ステップ1:「全種」「個別」のいずれかにチェックを入れて……
 ステップ2:「個別」を選んだ方は希望の句集にチェック。
 ステップ3:金額欄に合計額を記入。




HAIKU LIFE 100年俳句計画
第3回
大人のための句集を作ろうコンテスト
作品募集

主催 マルコボ.コム 共催 朝日新聞社・松山市教育委員会(予定)

 第三回「大人のための句集を作ろう!コンテスト」(通称「大人コン」)の作品募集がスタートしました。
 「大人コン」は、月刊俳句マガジン『100年俳句計画』が開催する俳句コンテストです。
 共催 朝日新聞社・松山市教育委員会(予定)

「受賞作品が句集になるってホントですか」
 最優秀賞作品は、月刊俳句マガジン『100年俳句計画』の付録冊子として読者諸氏に広く読んで頂きます。付録とはいえ、お洒落なデザインの句集だと評判です。
 受賞者には一切の金銭的負担をかけず、読者にとっても安価な句集をどんどん生み出していきたいという志を一つの形にしたのが、この企画なのです。

「俳句マガジンを購読してないんですが、コンテストへの応募はできますか」
 どなたでも応募できます。購読の有無は一切関係ありません。勿論、応募は無料です。

「審査は誰がするのですか」
 本コンテストの受賞者は、「大人コン」選考会員の投票によって決まります。「大人コン」選考会員は、月刊俳句マガジン『100年俳句計画』購読者の内、各総合誌等の俳句賞受賞者あるいは最終選考に残った実績のある人たち等によって構成されます。第二回の有資格者は三十二名。年々選考会員数は増えていくことになります。
 多くの目利きの力を借りて「百年先の未来に残したい作品と作家」を見い出し顕彰していくことが「大人コン」の目的。我こそは!という皆さんのご応募を、心からお待ちしております。

既作新作を問わず81句の作品集を募集。
最優秀賞作品は句集にし、本誌付録として配布します。

募集要項

応募資格
15才以上(高校生以上)の方なら、本誌購読の有無に関係なく、どなたでも応募できます。

応募方法
1:Eメールでの応募の場合
応募用のエクセルファイルに必要事項を全て入力し、Eメールの添付ファイルにして、応募して下さい。
応募用ファイルのダウンロード先
http://81ku.marukobo.com/

2:郵送の場合
B4判四百字詰め原稿用紙に81句とその表題、俳号、本名、年齢、住所、電話番号を必ず明記して応募して下さい。

締め切り 2013年12月10日(火)必着

賞 賞状および応募作品による句集20冊
*賞品句集は縦横135mm・36ページとなります。句集は本誌付録として配布します。

発表 本誌2014年4月号誌上(予定)

送り先
〒790-0022 愛媛県松山市永代町16ー1
有限会社マルコボ.コム
月刊俳句マガジン『100年俳句計画』編集室Eメール:81ku@marukobo.com




100年俳句計画投稿締切カレンダー

8/11
・殿様ケンちゃんとじいが答える俳句質問箱
magazine@marukobo.com

8/20
・100年投句計画
http://marukobo.com/toukou/
・魚のアブク
・100年の旗手推薦募集

 応募先
  〒790-0022 松山市永代町16-1
  (有)マルコボ.コム内
    100年俳句計画編集室
  FAX 089(906)0695
  E-mail magazine@marukobo.com
 宛先/件名に、どこのコーナー宛かお書き添え下さい。俳号/ご本名/住所/電話番号もお忘れ無きよう、よろしくお願いいたします。
 ※ページの都合上お便りを全て掲載できない場合がございます。ご了承下さい。


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編集後記


 今月号の特集は、あねご会長率いるまつやま俳句でまちづくりの会の「松山城歳時記化計画」と蛇頭さん率いるジャズ句会特別編「『蔵の宴』ジャズ句会」。二つの企画で共通するのは、共に編集室発信の企画ではないこと。
 俳句新聞として生まれた本誌は、当初「楽しくないと俳句じゃないぜ!」というのがキャッチフレーズだった。それから「楽しくないと俳句じゃない 100年俳句計画」となり、現在は「ハイクライフ 100年俳句計画」。
 キャッチフレーズが変わっても、組長が創刊した時からの思いは全く変わっていない。読者が自分の俳句の評価だけを気にする雑誌ではなく、共に俳句を楽しむための雑誌である。
 今月の特集は、それぞれ違った味わいではあるが、人生を楽しむために俳句を楽しみ、まちづくりをするという点ではほとんど同じ。
 松山城の季語を調べることで、松山という街を見直し、街を愛し、句会をするためにジャズライブを企画し、音楽と地酒と俳句を楽しむ。なんて豊かなハイクライフだろうと実感する。
 今月の特集は特別なことではなく、100年俳句計画という思いさえあれば、誰だってできる。
(キム)


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次号予告 (190号 9月1日発行予定)


次回特集
殿様ケンちゃんとじいが答える俳句質問箱

読者からの俳句の質問に、殿様ケンちゃんとじいが答えます。
現在質問募集中! 締切8月11日


HAIKU LIFE 100年俳句計画
2013年8月号(No.189)
2013年8月1日発行
価格 600円(税込)

編集人 キム チャンヒ
発行人 三瀬明子